建築パースから3Dデータ入力、そしてVRデータ作成へ 人気拡大中のパースクリエイター 吉田久恵さん

YDS吉田久恵さん

ハイクオリティなパース作品はもちろんのこと、Facebookのユーザーグループで披露する3Dマイホームデザイナーに関する深い知識で異彩を放っているのがYDSの吉田久恵さん。
その高い3Dパース制作技術はどうやって身につけたのか、また、3Dパース制作業務の需要などについてお話を伺いました。

■プレゼンボード作成がきっかけで興味が開花

- 吉田さんの建築パース作品は、建築パース.comやサクセス!インテリアにも投稿いただいていて、その場の空気まで感じさせるような表現力にいつも圧倒されていました。もともとはグラフィックデザイナーとかCGクリエイターだったのですか?

吉田:いえいえ、社会人スタートは建築設計事務所でした。しかも確認申請の事務作業が最初の仕事なんです。

- ぜんぜんグラフィックと関係ないですね。どういったきっかけで3Dパースクリエイターに?

吉田:あるとき上司からプレゼンボードの作成を頼まれたんです。それでAdobe Illusutratorを使ってレイアウトデザインをしたんですが、その時に思ったんです。「あ、プレゼンテーションの仕事、好きだな」って。
それから、プレゼンボード作成の仕事をするようになりました。その頃はまだパースは設計部門の人が手描きで作っていたんですが、3DCGも必要だろうということで、3DマイホームデザイナーPROを導入したんです。でも誰も使えないので「お前が習得しろ」ということになって、マニュアルと解説書で独学で勉強しました。

- 使っている3Dソフトは3DマイホームデザイナーPROだけですか?

吉田:はい、3Dソフトは3DマイホームデザイナーPROだけですね。レタッチ用にAdobe Photoshopは使いますが。

- 吉田さんの作品からは、独特のリアル感が醸し出されているように思います。その秘密を教えていただけますか?

【吉田久恵さんのインテリアパース作品の一例】

【吉田久恵さんのインテリアパース作品の一例】

吉田:私の仕事は3Dデータを納品することも多いので、3Dモデルそのものをリアルにする必要があります。なので、メーカーがWebサイトで配布している3Dデータ(OBJやFBSフォーマット)を3DマイホームデザイナーPROに取り込んで制作していますので、そこがリアリティを増すポイントだと思います。
他社製の3Dデータは容量が大きいので、データ全体としての容量が大きくなりすぎないように注意は必要ですが。

【カッシーナのレディ ラウンジチェアの3Dモデル(objファイル)を取り込んで作成した3Dパースの例】

【カッシーナのレディ ラウンジチェアの3Dモデル(objファイル)を取り込んで作成した3Dパースの例】

3Dデータの取り込みにはMeshLabという海外ソフトを使っています。このソフトでポリゴンリダクション(ポリゴン数を減らすこと)してから3DマイホームデザイナーPROにインポートしています。

【ポリゴンリダクション中のMesh Laboの画面】

【ポリゴンリダクション中のMesh Laboの画面】

【ポリゴン数を減らして、3次元DXFフォーマットで保存したレディーラウンジチェア】

【ポリゴン数を減らして、3次元DXFフォーマットで保存したレディーラウンジチェア】

- ポリゴンリダクションですか。本格的な3DCG制作をされているんですね。ほかにもいろいろと工夫があるんでしょうね。

吉田:テクスチャを加工してから貼り込むことで見栄えがぜんぜん変わる場合もありますので、試行錯誤しながらいろいろとやっていますね。

【エコカラットのテクスチャ画像も、Photoshopで加工することで3Dパースの質感が向上する。】

【エコカラットのテクスチャ画像も、Photoshopで加工することで3Dパースの質感が向上する。】

 

【加工前のテクスチャを貼ったパース。これでも十分にきれいに見える。】

【加工前のテクスチャを貼ったパース。これでも十分にきれいに見える。】

【加工後のテクスチャを貼ったパース。凹凸感がでて、よりエコカラットらしい表現になっている。】

【加工後のテクスチャを貼ったパース。凹凸感がでて、よりエコカラットらしい表現になっている。】

- それらが吉田さんのハイクオリティな3Dパースにつながっているんですね。
では、吉田さんのお仕事内容について具体的に教えていただけますか。

吉田:3年ほど前までは、大手ハウスメーカーのプレゼン用に3Dパースを作成していました。全国の営業の方からの依頼を一手に引き受けていたので、多いときは1ヶ月に60棟以上作っていたと思います。

【吉田さんの外観パース作品の一例】

【吉田さんの外観パース作品の一例】

- 1ヶ月で60棟ですか!毎日2棟作っている勘定になりますね。その制作数が吉田さんのテクニックを磨きあげたということですね。

吉田:そうかもしれません。その仕事が契約終了になったので、パース作成のほかに3Dマイホームデザイナーの3Dデータ入力代行も業務内容に加えたんですね。
それがちょうど世の中にメガソフトのVRソリューションが広まり始めたのと重なって、VR用の3Dデータ作成の仕事が急速に増えて現在に至っている感じです。

- VR用の3Dデータ入力の依頼はどれぐらいあるんですか?

吉田:1ヶ月に5棟ぐらいですね。VR用のデータはパースの仕事と違って、外観も室内も全部作り込む必要がありますので、時間がかかりますが、需要はすごく多くなっていますね。
お客様へのプレゼンテーション用にVRが効果的ということで導入したけれど、データ制作が間に合わない、という企業からオーダーをいただいている感じです。

- VRはまだまだこれから導入企業が増えますから、制作が追いつかなくなりそうですね。

吉田:はい。なのでこれからは3DマイホームデザイナーPROのクリエイター養成に力を入れていこうと考えています。私が試行錯誤をしながら身につけてきた方法を、多くの人に伝えていければ、これからますます増えていくVR用データ需要に対応できるのでは、と思います。

※編集部注:吉田さんの3D講座は2020年夏頃に開催を予定しているとのこと。開催情報はYDSのホームページで随時公表予定。

- 誰もが吉田さんと同等のハイクオリティな3Dパースを作成できるようになるのって、すごいことですね。
本日は、どうもありがとうございました。

YDSのホームページ
https://presents.amebaownd.com/

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