
インテリアと動線で片づけに悩まない暮らし【第四回】
前回は妻がフリーランスで共働きの家族のためのLDK編をお届けしました。ONとOFFの切替えをしやすくする工夫、参考にしていただけたでしょうか。
今回は、子供を持たないという選択をした夫婦のための住まいです。平日は二人とも仕事を頑張り、週末はフルで趣味のために時間もお金も費やす生活スタイルです。
Case4. 生活感を出さず、お気に入りのモノに囲まれてくらすLDK
夫:会社員(38歳)
妻:会社員(38歳)
夫はゲーム機を複数台持っており、大きなテレビでゲームを楽しむことが趣味です。妻は北欧雑貨を集めることが趣味で、お店に行くとついつい買ってしまいます。趣味のモノをたくさん持ちたい夫婦ですが、「趣味を楽しみつつ、部屋はスッキリとしたい」という願いをかなえるためのインテリアを提案します。
1.間仕切りを兼ねたコレクションボードは両面から楽しめます
リビングスペースとダイニングキッチンの間には、間仕切りを兼ねたコレクションボードを置きました。
好きなモノを見るとついつい買ってコレクションしたくなる人は、コレクションの中でも最も大切なモノを飾るスペースを用意することをオススメしています。たくさん持っているコレクションの中で「特に大切なモノはどれだろう?」と考えることで、自分の価値観が明確になり、買いすぎや持ちすぎをセーブすることができます。
コレクションボードに入らないからと言って、無理に手放す必要はありません。飾らないものは保管用ボックスに入れて別室に置いておきましょう。時々、出してきてコレクションボードに並べるものを見直すと「ただ持っているだけ」でなく、生きたコレクションになりそうですね。
2.ダイニングテーブルを置かずに広々と
リビングスペースをゆったり確保するため、ダイニングテーブルを置かなくてすむように、カウンターで食事をするスタイルにしました。朝食は手短に済ませることが多く、夕食も会話しながら2人で料理をしたり、お酒を楽しんだりするので、カウンタースタイルがぴったりです。
3.生活感を出さないために、日用品は夫婦別で集中管理
リビングスペースをスッキリさせるために、日用品はキッチン横の収納で一括管理することにしました。引き違い戸の右側は妻のためのスペース。左側が夫のためのスペースです。
それぞれの収納スペースからはみ出さなければOKというルールで、お互いの片づけ方に口出しはしません。夫婦といえども、自立した大人同士。自分のものは自分でというスタイルです。
.壁掛けテレビでスッキリ!ゲームはここに入るだけ
玄関から入ってきた正面の壁はアクセントウォールとしました。大きなテレビも壁掛けにすることでスッキリ。ローボードは間接照明をつかって軽やかさを演出します。
ローボードは夫の趣味であるゲーム類を納めることができるよう、高さは抑えつつも幅を広くとりました。使わないときは扉付き収納におさめてスッキリ。ゲーム関係のものは、ここに入るだけと決めて買うようにします。
好きなモノをたくさん持ちたいという思いは、とても自然なことです。自分の生活が困らない範囲で収納しておける場所を用意しておくことで、心地よいインテリアになりますよ。
動線とインテリアによる片づけに興味を持っていただけた方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。
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【著者紹介】
和田さや子
一級建築士、ライフオーガナイザー。
株式会社ケイ・ジェイ・ワークスにて
住宅の設計に携わるかたわら、ライフオーガナイザーとして片づけ相談セミナーも開催している。
ブログ「子育て世代・共働き夫婦のための片づけに悩まない家づくり」
http://nigiplus.com/blog