インテリアコーディネーターのためのスマートホーム入門:LINE Clova編

インテリアコーディネーターのためのスマートホーム入門:LINE Clova編

インテリアコーディネーターのためのスマートホーム入門、今回は日本で最初に登場したスマートスピーカー、LINE Clovaについて、メディアプランナーの遠藤義人氏【fy7d(エフワイセブンディー)】がレポートします。

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前回の記事でご紹介したとおり、日本で最初に登場したスマートスピーカーは、LINE Clovaです。
ということで、東京・新宿にあるLINE(株)本社でClovaの現状と今後についてお話を伺ってきました。

【LINEのスマートスピーカー Clovaとは?】

そもそも、スマートスピーカーって何なの??

敢えて定義すると、「無線通信接続機能と音声操作のAIアシスタント機能をもつスピーカーのこと」と言えます。 つまり、

(1)インターネットに無線で接続できる
(2)AIがさまざまな生活シーンをサポートする
(3)音声認識機能、ハンズフリー操作ができる

ことが要件。
LINEのスマートスピーカーClova(クローバ)は、実はこの要件を表す言葉「Cloud virtual assistant」を略してつけた名称なんです。
そして、Clovaのサービス主体は、メッセージアプリのLINE。

LINEロゴ
ということで、Clovaの目的はLINEの通信サービスを拡充して、生活動線一般における家族や親しい仲間とのコミュニケーションを促すことなのです。

LINEは、2017年3月にバルセロナで開催されたモバイル系のイベントMobile World Congressでこの人工知能(AI)サービスの開始を発表し、同年10月にClova WAVEを初のスマートスピーカーとして発売しました。

Clova WAVE
さらに12月には、スマートスピーカーとしては唯一のキャラクタースピーカーClova Friendsを発表しました。

clova firiends
同じ10月にGoogleが、11月にAmazonがAIスピーカーとスマートホームのコンセプトを発表しており、3つは一緒に紹介されがち。
でも、それぞれの事業者が本来依って立つところに思いを致せば、AIスピーカーを使って今後どんなサービスを拡充させていくかは大きく分かれていくに違いありません。
実際すでに3社のAIスピーカーには微妙な方向性の違いが垣間見えて、結構面白いんです。
それを意識しながら、今回はClovaについて、その特徴を挙げてみたいと思います。

日本ならではの気配りと優しさ

Clovaの第1の特徴は、バッテリーを内蔵し、持ち運びができること。
他のふたつの事業者のものは、USBやACアダプタなどの違いはあれど、どれも電源が必要です。
これは、日本国内の企業のLINEだからこそできる配慮。
リビングが比較的コンパクトで部屋が細分化された間取りを想定し、手軽に持ち出してそれぞれの場所にあった使いこなしが想定されています。
好きな部屋で音楽が楽しめ、キッチンではタイマーが活躍・・・といった具合です。
大きなリビングと車社会の米国とはすこし勝手が違って、むしろ家の中での取り回しが重要というわけです。

Clovaの第2の特徴は、ベースはシンプルにしておき、あとからユーザーが必要な機能=「スキル」を追加することで拡充させていく手法です。
2018年クリスマスに、LINEは「スキルランキングトップ20」とともに、よく使う機能を発表しました。
それによると、1位は音楽2位は天気3位はアラーム4位がLINE5位がタイマーだということです。
シンプルな機能ばかりですよね。
調理中で手が使えないときはもちろん、たとえば授乳するときの時間を計るのにタイマー機能が重宝するという回答も。

Clovaの第3の特徴は、キャラクターの採用
これが結構重要で、毎日話しかけたくなるような愛着を生みます
他の2社のAIスピーカーがあえて無機質に創られているのとは対照的です。
このキャラクター設定は、ある意味日本らしい文化の表れともいえます。
それを裏付けるように、2017年6月にLINEカンファレンスでBROWN(ブラウン)とSALLY(サリー)のモデルを発表したとき、海外メディアからの反応が非常によかったといいます。
その後、ドラえもんとMINIONSが追加され、いずれも人気を博しています。
SNSへの投稿で紹介されているClovaの使われ方をみると、一つの世帯で複数所有するケースや、お子さんがぬいぐるみでも持ち歩くように公園に連れ出す例も。
WiFi環境がないところではブルートゥーススピーカーとしての機能しかないのですが、もはや一種のペット感覚になっていることが伺えます。
最初のClova購入者はガジェット好きな男性が多いものの、実際に家庭で継続的に使ったのは奥様ないしお母さんであり、最終的には親子で活用することで日々の暮らしに浸透していっていることをうかがわせるエピソードですね。

拡張機能「スキル」と「Dock」

LINE自体がそもそもいちばんシンプルなメッセンジャーとしてスタートしたことを考えると、はじめからパーフェクトではなく、ユーザーの意見を容れつつすこしずつ求められているところからバージョンアップしていくという姿勢は、とてもユーザフレンドリーな印象です。
Clovaはいわば、身の丈に合わせて成長するスピーカーと言えそうです。
ここではちょっと進んだ使い方として「スキル」と「Dock」について見ていきましょう。

さきに第2の特徴として掲げた「スキル」で親子に人気の機能は何でしょう??
聞くと、「童話朗読」「クイズ」「LINEによるメッセージのやりとり」だそうです。
とくにLINEメッセージについては、LINEの送受信、読み上げ機能、無料通話(Clova Friends シリーズのみ)を活用した「見守り機能」が便利。
たとえば、スマホ適応年齢未満のお子さんがLINE登録された親と「ママ、おうちついたよ」「パパ、きょう帰りは何時?」と会話できる。これは素晴らしい。

「童話音読」も意外に便利。これはユーザーからのソーシャルからの反応などを踏まえ、予定よりも前倒しして開発したのだそうです。

また、細かいことですが、女性や子どもの高い声に反応しづらかった点も改善したといいます。

そして、今回の連載の本題でもある「スマートホーム」対応について。
LINEが家電と連携するものとしては以下のふたつがあり、「Clova Home」と呼ばれます。

(1)Clova WAVEは、はじめから本体だけで赤外線による家電操作に対応。Friendsも専用のDockに接続するだけで赤外線家電リモコン機能が付きます。

clova dock

【Clova FriendsもDockをつけることで赤外線リモコンが使えるようになる。】

これは、その家電自体がインターネットに繋がるIoT家電でなくても、赤外線リモコン機能を使うことで、テレビや照明、エアコンが操作できるという意味で、優れて日本的です。

(2)2018年4月には、フィリップスのワイヤレス照明器具HUEとの連携がスタート。
WiFiを使った制御、つまりアプリ上で設定ができるようになりました。
こうした企業連携は徐々に進んでいて、11月末にはシャープのクラウドサービス「COCORO AIR」「COCORO WASH」と連携。
同社のエアコン、空気清浄機、洗濯乾燥機を操作したり運転状況を確認できるようになりました。
12月には東芝映像ソリューションとの連携で同社の4Kテレビ REGZAの電源やチャンネル操作などが音声でコントロールできるように。
最近ではリンナイの対応リモコンと連携してお風呂の「お湯はり」「おいだき」操作ができるようになりました(『床暖房』も可能になる予定・2018年1月現在)。

LINE Clovaの今後の展開

最初に述べたとおり、AIスピーカーは2017年10月にLINEとGoogleが、11月にAmazonがAIスピーカーとスマートホームのコンセプトを発表しました。
1年ほど経過し、今年からいよいよ話しかけたら答えてくれるおしゃべりガジェットを超える展開が見えてくると思われます。
ただ、LINEはどうやら全然焦っていない様子。
ちょうどガラケーからスマートフォンに移り変わる過程のように、本格普及には2~3年はかかると踏んでいるようです。
もっとも、LINEはAIアシスタントをスマートフォンに代わるものとは捉えていないようです。
ベースはあくまで、スマートフォンにおける無料通話サービスLINEだからです。
その意味で、Clovaの機能が基本的にすべて無料、だから安心して使えるというコンセプトもよく分かるんです。
もちろん、LINE MUSICなど特別なサービスには費用が掛かりますが(初回3ヶ月は無料)、「スキルストア」内のコンテンツも基本は無料。
ぜひ「謎解きゲーム ゾンビのまち」など人気のアプリはどんどん追加して試してみてください!

そして気になるプライバシー保護についてもひとこと。
Clovaは、「ねえクローバ」と声をかけることで起動し、クラウド上に投げた音声を返してコマンドを実行。
常時録音しているわけではないとのことです。
また、Clova本体背面に設けられた「マイクoffボタン」を押せば、音声を収録しない状態になるので、誤認識も含めて気になるときはOFFに。

【Clovaの背面にはわかりやすいアイコンのマイクオフボタンがある。】

【Clovaの背面にはわかりやすいアイコンのマイクoffボタンがある。】

そもそも、LINEのメッセンジャーサービスは、親しい人と連絡するのに使われているもの。
LINEでは、これまでメッセンジャーサービス等で培ってきた高いセキュリティを確保しているのでご安心くださいとのことでした。

最後に、今後のClovaについて。
これはあくまでも想像に過ぎないけれど、お買い物やお金のやりとりが充実してきていることから見ても、主婦目線でのショッピングアシスト機能に力が入れられるかも知れません。
LINE@の企業クーポンがClovaと連携して、LINE@のプッシュ通知でセールのはじまりを教えてくれるとか(「ウォレット」右端のLINEクーポンがそれ)。
ここにもし「楽天」などが参加してきたら、他社スピーカーが持つ長所をもぐっと引き寄せて、Clovaの世界はグッと広がるでしょうね。

遠藤義人氏この記事を書いたのは:遠藤義人氏
fy7d(エフワイセブンディー) 代表

ステレオサウンド社で住宅インテリアとホームシアターを融合する雑誌「ホワイエ」を編集。2015年に独立、個人オフィス開設後もそのコンセプトを引き継ぎ、大画面&いい音を通じて、家族やゲストみんなで楽しめる場としての住まいや暮らし方を提案している。

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