
インテリアコーディネーター加藤由佳里さんのおススメ照明器具として紹介いただいた、まるで白熱灯のようなLED照明器具「Siphon(サイフォン)」。
今回は、この「Siphon」のメーカーである株式会社ビートソニックに取材させていただき、「Siphon」誕生秘話やこだわりのポイントについて開発責任者の戸谷大地さんにお話を伺いました。

株式会社ビートソニック
生産技術部 課長 戸谷大地さん
- この「Siphon」、とてもかっこいいデザインのLED電球ですね。
戸谷:ありがとうございます。「Siphon」の最大の特徴であるデザイン性を評価いただけてうれしいです。
- ホームページを拝見したら、御社はもともとはカーエレクトロニクス製品のメーカーだったんですね。
戸谷:はい、弊社のスタートは自動車のシートに振動版をセットして重低音を体感できる「ビートソニックシート」の開発です。創業以来、弊社しかできないオンリーワンをコンセプトにした製品づくりをしています。
- そんな御社がなぜLED電球の開発をされたのでしょう。
戸谷:きっかけの一つは東日本大震災ですね。エコロジーな製品を手掛けたい、という思いからLED照明器具の開発を始めました。
- そして生まれたのが「Siphon」ということでしょうか。
戸谷:「Siphon」の前に「影美人」という製品を開発しています。これはシャープな点光源になるようにこだわったLED電球で、シェードをかぶせた時に切れのいい美しいシルエットが出せるんです。レストランやホテルなどで好評をいただいてます。

影美人
この影美人でLED電球の開発技術を確立して、次の製品として開発したのがエジソン球タイプの「Siphon」です。
- 「影美人」では電球としての機能性を追求されたということですね。では「Siphon」ではどのような点にこだわられたのでしょうか。
戸谷:「Siphon」で一番こだわったのはデザインです。これまでにも白熱灯タイプのLED電球は他社から発売されていましたが、「Siphon」はエジソン球らしさを追求しています。白熱灯らしい色合いと明るさを再現したのはもちろんですが、特に気を配ったのはソケット部分です。
- ごく普通の白熱灯のソケットに見えますが。
戸谷:その通り、ごく普通に見えるところがポイントです。通常、LED電球は寿命を延ばすために電圧を安定化させたり、調光機能を付加するための基盤が必要で、それがソケット部分に入っています。そのために普通のLED電球は下半分ぐらいが隠されているデザインのものが多いですよね。そこで放熱をよくするということもあります。ですが「Siphon」の場合は、白熱灯らしいデザインを実現するために普通の電球とおなじようにソケット部分まですべてが透明ガラスです。
- なるほど、それが普通な感じに思える理由だったんですね。
戸谷:はい、「Siphon」はこの小さな口金の部分にコントロール用の基板を納めるために放熱機能などは犠牲にしている、というわけです。
- それがこの非常に美しいフォルムの秘密だったんですね。よく見るとガラスには汚れのようなものさえ見えますが。
戸谷:古い白熱球はフィラメントが熱で蒸発して電球の内側に付着するんです。「Siphon」ではそれを塗装で再現して、よりリアル感を演出しています。
- 遊び心もあるデザインというわけですね。
戸谷:ええ。なので「Siphon」ははだかのまま使っていただきたい製品ですね。実際、アンティークな雰囲気を演出したカフェやバーなどでは、「Siphon」のデザインを見せるようなスタイルで使っていただいてます。
- アンティークな雰囲気は完璧に再現しながら、低消費電力で発熱もないので、はだかのままで使っても、やけどの心配もなくかっこいい照明を演出できるというわけですね。
本日は貴重なお話、ありがとうございました。
ビートソニック「Siphon」公式ページ
http://www.only-1-led.com/siphon/