商業建築物のインテリアの「今」を伝える~商店建築編集部インタビュー

商店建築表紙

雑誌名のとおり、商業に関係する建築物を美しい写真と詳細な解説で60年以上に渡って紹介し続けているのが「商店建築」です。
この極めて濃厚な誌面がどのようにして作られているのか。
商店建築編集部にお話を伺いました。

― ひとことに「商店」と言いますが、「飲食店」「物販店」「ホテル」「クリニック」から「オフィス」まで、非常に幅広く取り上げていますが、どのような視点で特集などを決めるのでしょうか?

編集部:商店建築の記事は、大きく三つの柱で構成しています。一つは旬の新規大型プロジェクト関連で、これはGINZA SIXやミッドタウン日比谷など、注目の商業建築物を取り上げます。そして主力となる二つの柱がヘアサロンやレストラン、カフェ、オフィスなどを取り上げる「業種特集」と、時代を反映するキーワードを掘り下げる「特別企画」です。「業種特集」はいわば定番的なものですが、特別企画はその時々の一点もので、最近のものでは喫煙空間をテーマにした「スモーキング特集」や葬儀場や納骨堂の最先端を取り上げた「祈り」、今や複合施設化した「コインランドリー」などがあります。

商店建築カフェ特集・コインランドリー特集

― こららの特集はどのようにして企画決定されるのですか?

編集部:毎年11月頃に翌年1年分の内容を編集長が決めています。新規大型プロジェクトは業種特集はだいたいスケジュール通りに進めますが、特別企画はある程度流動性があります。

― 特別企画のテーマはどうやって決まるのでしょうか?

編集部:編集部で毎月編集会議を行うですが、編集長を除く6名の部員が一人3つの企画案を出すことになっています。合計21案ですね。それらを編集会議で討議して編集長に提出します。その中から編集長が採択したものが特別企画のテーマになります。

― 採用率はどれぐらい?

編集部:5%ぐらいでしょうか。全部ボツの時もありますし、半年後に採択されるテーマもあります。

― 非常に厳しい競争を勝ち抜いたテーマが特別企画になるんですね。そうやって決定した特集で取り上げる商業建築物は、どうやって探すのですか?

編集部:都内や首都圏は、自分の足で回ります。日常的に、アンテナを張って歩いてますし、ネットの情報やクチコミなどで知ったことも自分の目で確かめて選定しています。また創刊以来62年間培ったデザイナーや建築家との人脈から、注目すべき商業建築物の情報をいただきますので、全国各地のユニークな物件を知ることができます。
それらも「これは!」という物件は直接確かめに行きます。
― 取り上げる建築物も厳選されていますね。それだけに見ごたえのある物件写真で誌面が埋め尽くされています。商業施設の写真ですが、ほとんどの写真にお客様が写っていませんね。

【写真集とも言えるハイクオリティな商店建築誌のインテリアフォト】

【写真集とも言えるハイクオリティな商店建築誌のインテリアフォト】

編集部:プライバシーの問題もありますが、建物を見ていただくための写真なので、開店前にお邪魔するか、閉店後に撮影するか、などで対応しています。

― 早朝あるいは、深夜に渡るお仕事なんですね。

編集部:そうですね。大きなショッピングモールの取材撮影だと、深夜から明け方まで、ということもありますね。読者の方が商店建築誌に一番求めているのが写真ですので、写真には力を入れています。

― 厳選されたテーマ、厳選された物件を取り上げている商店建築誌ですが、それらを取り上げる基準のようなものはありますか。

編集部;商店建築は62年間やってきていますが、その時代々々のトレンドを反映した誌面になるように心がけています。バックナンバーを見ればどんな時代だったかが見えてくる、そんな雑誌になっています。

― 最近注目のトレンドをいくつかご紹介ください。

編集部:一つは「ホテル」が面白いです。最近、異業種からホテル業界に参入する企業が増えているんです。例えばカフェ・カンパニーというカフェを専門にしてきた会社がホテルを作ったり、下着のワコールが京都の町家を改装して旅館を作っていて、いずれも非常にユニークで面白いデザインなんですね。

商店建築ホテル特集の記事

【ホテル特集の記事誌面】

あるいは、「オフィス」。従来のオフィスは単なる従業員が働く場所で、「経費」だったんです。それが最近は「ブランディングへの投資」に変わってきています。オフィスのデザインを魅せるものにすることで、企業イメージを対外的にアピールするとともに、従業員のモチベーションアップや人材確保にもつなげているんです。

商店建築オフィス特集の記事

【オフィス特集の記事誌面】

― 定番記事である「業種特集」も、その中身は常に変化・深化しているのですね。だからこそ、商店建築誌は、時代のトレンドを把握するための情報源として、多くの読者を獲得しているのだと改めて実感できました。
それでは最後に、商店建築誌にとって「インテリア」とはどんなものだと定義されますか?

編集部:「インテリア」「空間デザイン」を、ひとことで言えば差別化です。カフェやレストランなどの商業施設はもちろん集客のため、オフィスも人材という「お客様」を集めるための差別化を企図して、インテリアの革新を進めているんですね。
飲食店はご存じのとおり熾烈な市場ですし、企業も人材確保が厳しい時代です。そんな過当競争のマーケットにこそ、差別化の手段としてインテリアデザインが必要になってきます。
商店建築は、これからも、差別化できるデザイン性を持った商業建築の最先端を取り上げていきます。

― 本日はありがとうございました。

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