インテリアコーディネーターが知っておきたい照明の話:照度・輝度・光束

照明の話:照度・輝度・光束

照度(単位はlx ルクス)、輝度(単位はnt ニト)、光束(単位はlm ルーメン)。
これらはよく耳にする照明の単位ですが、それぞれの違いが意外にわかりにくいという方も少なくないと思います。

そこで、今一度、これらについてまとめてみました。

まず最初に確認したいのは光束、ルーメンについてです。

この単位は、光源がすべての方向に放つ明るさを表します。
この電球の明るさ○○ルーメンです、というように照明器具の明るさの性能を表示するために使います。

昭和世代なら、この電球は○○ワットだ、というとだいたいの明るさがイメージできると思いますが、これは白熱灯の時代のお話。

昭和世代は照明の明るさをワット数でイメージしていました。

昭和世代は照明の明るさをワット数でイメージしていました。

今や照明器具はLED時代です。そしてLEDの消費電力は白熱灯よりも圧倒的に少ないので、ルーメンという明るさの単位で表すのが合理的なのです。

ちなみに日本照明工業会が発表している資料の中に、ルーメンを白熱灯のワット数に言い換えた場合の表があります。昭和世代の方は、これを元にだいたいの明るさを想像できるでしょう。

170ルーメン  20ワット相当
485ルーメン  40ワット相当
810ルーメン  60ワット相当
1520ルーメン 100ワット相当

LED照明世代の人たちは、ルーメンの単位を聞いただけでおおよその明るさがイメージできるようになるのでしょう。

※光源の明るさを表す単位にカンデラ(光度)がありますが、これはある方向に放たれた光の明るさです。ルーメンはすべての方向に放たれる明るさの総量を表します。

さて、次の単位は照度、ルクスについてです。
照度は光源から放たれた光が、なんらかの対象物に届いた光の量の単位です。
たとえば、1520ルーメン(白熱灯100ワット相当)の照明器具が天井に一灯設置されている部屋があったとして、その照明器具の真下にあるダイニングテーブルと部屋の隅にあるサイドテーブルの上では、当然ながら照度が違ってきます。
照度は光源の明るさではなく、光を利用する条件によって人が感じる明るさの単位であると言えるでしょう。

それでは、輝度とは?
輝度(単位はニト)は光源から放たれた光が、なんらかの対象物に当たって反射された明るさの単位です。人が目で物体を見ることができるのは、物体が光を受けて反射しているからです。新月の月は太陽の光を反射しいていないので見えません。光を全部吸い込んでしまうブラックホールもやはり見えません。
インテリアでいえば、暗い色の布地は輝度が低く、明るい色のプラスチックは輝度が高いと言えます。
つまり、同じ明るさの光源が設置された部屋でも、インテリアコーディネートによって明るくもでき、暗くもできるということですね。
図にまとめると、このような感じです。

光束・照度・輝度

インテリア照明を考えるには、ルーメン、ルクス、ニトそれぞれに留意する必要があります。
新築のインテリア照明を考える場合、大光電機では部屋の広さ(帖)と実現したい部屋の明るさ(ルーメン)を元に必要な照明器具の数を導き出しています。(https://success-interior.jp/daiko_lighting_knowhaw01/

新築の設計時にしっかりと照明計画を練りたい時は、大光電機などのプロにアドバイスを求めるのが安心です。

では、新築や大規模なリフォームで建築化照明を入れるのではなく、既存の照明器具の入れ替えや置き照明などの追加で、インテリア照明を改善したい場合はどうすればよいでしょうか。

そんな時に活用したい単位が照度(ルクス)と輝度(ニト)です。

まずクライアントに確認するポイントは、現状のインテリアをより明るい空間にしたいのか、あるいはしっとりと落ち着いた空間にしたいのかということでしょう。

そのとき、インテリアの輝度の分布を知ることで、部屋全体の空間としての照明の具合をチェックすることができます。
輝度は前述したとおり、光が物体に当たった時に反射した明るさなので、室内の輝度分布を見れば、部屋のどの部分が明るく、どの部分が暗く感じるかが一目瞭然です。
輝度分布では隣接する物体の輝度の差に注目しましょう。
輝度に差がないと見えにくくなりますが、輝度に差がありすぎると不快感が高まり、目にもよくありません。

この輝度分布を簡単にチェックできるのが、iPhoneアプリ「QUAPIX Lite」です。

QUAPIX Liteは、iPhoneのカメラで写真を撮るだけで、その写真を輝度画像に変換してくれます。

quapix liteの輝度画像

部屋全体の明るさのバランスをチェックするのが輝度ですが、照度は特定の場所の明るさをチェックするのに役立ちます。

たとえば、部屋全体は落ち着いた、あるいは集中できる空間として明るさを落としたいけれど、読書や物書きのために手元は必要な明るさを確保したい、という時は、作業する机の上だけに必要な照度があればよいので、そこの部分の照度をチェックするとよいでしょう。
前述のQUAPIX Liteでも照度を調べる機能はありますが、その精度はかなり不安定です。
プロとして仕事で照度を測るのであれば、専用の照度計を使うほうがよいでしょう。
照度計と照度計アプリの比較記事はこちらを参照ください。

さて、輝度分布を見れば部屋全体の明るさのバランスがわかる、と書きましたが、人間の目は時間とともに光に対して順応する機能があります。また輝度の対比によって明るく感じる度合いも変わってきます。
そこで、輝度をベースに、「順応」や「対比」といった人間の目の特性を加味して、人間が実際に感じる明るさ感(NB値)によって空間の照明効果を判断しようという手法が、最新の照明計画においては提唱されています。
この明るさ感を簡易的にチェックできるサービスが2018年5月からスタートしました。
それが株式会社ビジュアル・テクノロジー研究所が提供している「あぴ探」です。

あぴ探ロゴ

あぴ探は、明るさ感を知りたい空間をスマホで撮影してメールで送ると、ビジュアル・テクノロジー研究所の高度な技術で写真を解析して「明るさ」画像に変換してくれるサービス。

この明るさ画像により、次のようなチェックできるものです。

まず、こちらは東京国立近代美術館の横山大観展2018年の時の写真をあぴ探で画像解析したもの。

横山大観展2018年東京国立近代美術館のあぴ探解析画像

【解説】
連日、多くの来場者が訪れる美術館は、受付の場所や順路などがわかりやすいことが大切で、来場者に安心感を与えます。
エントランスホール全体、床面が明るく設計されていて、高齢の来場者にやさしい照明がされています。天井から吊り下げられている照明器具も適切な明るさでエントランスホールの華やぎを演出しています。撮影画像の視点からは不明ですが、順路などの表示はもう少しわかりやすく設定されていると一層よい空間になると思われます。
あぴ探の明るさ画像を見ると、館内全体の明るさの分布や取り付けられている照明器具の輝きが適切かどうかを判断することができます。(ビジュアル・テクノロジー研究所 金谷 末子氏)

続いてこちらは、銀座メゾンエルメスで開催されたミルチャ・カントン展の写真をあぴ探で解析したもの。

銀座メゾンエルメスで開催されたミルチャ・カントン展の写真をあぴ探で解析

【解説】
明るい日差しが差し込む昼間の館内です。ホール全体がかなり明るくなっています。
白い壁面の前に展示物が数多く吊り下げられています。かなりの自然光が差し込んでいるために展示物の存在は目立たないようです。
天井面にはダウンライトが取り付けられています。夜間には、ダウンライトからのシャープな光が展示物を輝かせてくれることでしょう。
あぴ探の明るさ画像を見ると、館内全体の明るさの分布や取り付けられている照明器具の輝きが適切かどうかを判断することができます。(ビジュアル・テクノロジー研究所 金谷 末子氏)

あぴ探では、このような解析を無料でおこなってくれますので、気になる照明空間をチェックしてみてはいかがでしょうか。

あぴ探の利用方法や、様々な解析事例についてはこちらのページをご覧ください。

あぴ探って?( ビジュアル・テクノロジー研究所)
http://vtl.co.jp/apitan/apitan

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