インテリアで家族と暮らしと住まいを考えるKIWIlabo.の研究発表会
- 2018/5/1
- イベント, レポート
- インテリアコーディネーター, インテリアコーディネーター協会, レポート, 土谷尚子

2018年KIWI labo.(キウイラボ)が2002年の設立以降はじめての研究発表会を実施する、との連絡をいただき、取材に伺いました。
KIWI labo.とは、Kids’ Interior Wonderful Interior(子どものがすくすく育つような家こそ、理想の家)という思いを元に、インテリアコーディネーター協会の子育て中メンバーが意気投合して設立したユニット。
4名のインテリアコーディネーターと1名のおもちゃコンサルタントで構成されています。

KIWI labo.のみなさん。
家族が健康に暮らせるインテリアのあり方を研究してきましたが、ファッション性やオシャレ感、あるいは耐震や住宅設備などの性能や機能としてインテリアを捉えている一般生活者がまだまだ多いことを痛感したとのこと。
インテリアに携わるものとして、一般生活者に、さらには子どもたちに向けて、インテリアが精神的・肉体的健康や幸福感・充実感に与える影響をもっと理解してもらえる活動を広めていこう、とKIWI labo.は考えました。
その一環として始めた活動が「ケーキ箱のお部屋作り」とのこと。
どこでも簡単に手に入るケーキ箱を部屋に見立て、その部屋のインテリアを紙模型で組み上げていく「ケーキ箱のお部屋作り」は、2010年に「キッズプログラム ケーキ箱のお部屋作りワークショップ」をスタート。
大阪市とのタイアップ事業などで開催経験を重ねてノウハウを蓄積することで、各地のインテリアコーディネーター協会でも開催されるようになってきました。
2017年には愛知淑徳大学インテリア設計科の授業でも演習として取り入れられ、インテリアを学ぶ学生にも有用な教材になり得ると確信できたとのこと。
そういった背景から、この「ケーキ箱のお部屋作り」を全国のインテリアコーディネーター協会や学校・教育機関にもっと広めていく重要性を感じ、多くの方とアイデアを出し合えれば、と研究報告会を開催しました。
今回の発表会にはフリーランスのインテリアコーディネーターが中心に10名のインテリアのプロフェッショナルが参加し、「ケーキ箱のお部屋作り」を実際に体験しました。

「ケーキ箱のお部屋作り」を体験中の参加者。
日頃は本物の部屋のインテリア作りをしている方々ですが、小さなケーキ箱のインテリア作りにも真剣に取り組み、かつ楽しんでいる様子。
体験後の感想でも、
「楽しくて時間があっという間に過ぎた」
「子どもたちに部屋について考えさせるきっかけになり、片付けを意識させられると思う」
「仕事では平面図でインテリアを考えていたが、立体で考えることの大切さを再認識した」
「こんなツールでインテリアを学んでいれば、子どもが家を離れて独立するときに、迷うことなく自分好みのインテリアを設えられるだろう」
と、「住」教育への有効性を参加者は高く評価していました。

参加者が作った「ケーキ箱のお部屋」の一例。
さらに、 「子どもの頃から手を動かしてインテリアに接することで、仕事としての興味も持ってもらえるのだはないか」 と、職人の高齢化、職人不足に悩む業界の光明となり得る可能性を示唆する声もありました。
この発表会でのフィードバックを受けてKIWI labo.では、「ケーキ箱のお部屋作り」のキット化やワークショップ開催ノウハウのマニュアル化などを進めて、全国のインテリアコーディネーター協会、学校・教育機関への普及を進めていくとのことです。
「ケーキ箱のお部屋作り」ワークショップに興味のあるかたは、KIWIlabo.までお問い合わせください。
KIWIlabo.のホームページ
https://kiwilabo.jimdo.com/