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【トイレインテリアコーディネート入門】第二回:トイレの基本(トイレインテリア計画に必要な基礎知識)
- 2015/6/29
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- トイレインテリアコーディネート入門

トイレでは、排泄という人間にとって最も基本的な行為が行われます。
また、生活する中で最もプライバシーが高い空間です。
他のスペースと異なり、機能はいたってシンプルです。特に清潔さが要求されます。
トイレは新しいアイデアが生まれる創造的空間でもあります。
そこで、あまり先入観にとらわれず、快適なトイレとはどんなものか整理してみました。
1 主行為
-1 出入り:
他のスペースから移動してきます。最小有効幅60cm
●片開ドアの場合、内開き?それとも外開き?
多くの書籍には、内開きの場合、中で人が倒れたらドアが開かなくなるので、外開きにすべきとあります。しかし、外開きの場合、いきなり開いたドアが通りかかった人とぶつかる危険性があります。
内開きの場合、内側にドアが開くスペースと体をかわすスペースが必要になりますから、やむなく外開きというケースも多いです。
●ドアノブ位置は右?それとも左?
ノブが右に付いている場合:ドアを押す人が多い
ノブが左に付いている場合:ドアを手前に引く人が多い(*1)
●引戸:
引戸にするには幅が扉の2倍以上必要です。
トイレの短手方向が外に面している場合、幅は通常そんなに取れません。
●折戸:
幅が扉幅+扉のとじしろが必要。
トイレの短手方向が外に面している場合、幅は通常そんなに取れません。
-2 コートや上着を脱いで掛ける:
-3 持ち物やポケットのものを置く:
ポケットから携帯が飛び出して便器にポトリ。棚が必要です。
-4 脱衣:
排便するためには、衣服を脱いだり、おろしたりします。結構スペースが必要です。
-5 座る:
-6 排泄する
●小便:
男子の小便は、洋便器だけの場合、立ったままでする? それとも座ってする?
洋便器はそもそも立ち小便に対応しきれません。慎重に行っても厳密には外部へ飛び散っています。
多少抵抗があるかもしれませんが、男子も座ってするほうが衛生的です。
●大便:
かつては和式便器が主流でしたが、現代人はもう戻れませんね。
-7 トイレ用擬音発生装置の位置:
トイレが狭く、肩に近い位置にセンサーがあると勝手に鳴り出すことがあります。取り付け位置に注意しましょう。
※一般的には「音姫」という名称で知られていますが、「音姫」はTOTOの登録商標です。
-8 お尻を洗う:
外国に行くと、ウォシュレットがないことが多く困ります。日本が世界に誇る技術です。
-9 お尻をふく:
多少前に屈みます。狭いと頭をぶつけます。
●トイレットペーパーホルダーは左右どちらの壁につける?
実験するとすぐわかりますが、右利きの場合、左にある方が使い易いです。
-10 便を流す:
リモコンスイッチも右利きの場合、左にあると使い易いです。
-11 便器の蓋の開閉:
暖房便座の場合、省エネのために必ず閉めましょう。
-12 手を洗う:
衛生面から手洗い水栓は自動で。
-13 手を乾かす:
ハンドドライヤーは、家庭では一般的ではありませんが、すばやく手が乾きます。音が大きいのが欠点です。
-14 髪型、化粧、服装を整える
鏡の位置:
便器の正面に鏡があると見たくない姿が写ります。したがって、鏡は便器の側面側につけましょう。
2 付属行為
-1 スマホや携帯電話を操作する
-2 読書する:
場合によっては本棚や、乗り物にあるような可動式テーブルもあると便利かもしれません。
-3 新聞を読む:
今では紙の新聞を読む人が少なくなりつつありますが、頑にトイレで新聞を読む人も多いです。
-4 音楽を聴く:
私はそこまでしませんが、可能性としては大いにあります。狭い分、音の洪水に浸れます。
-5 考える:
意識するかしないかは別にして、もっとも集中して物事を考えられる空間です。いいアイデアが出たとき忘れないように、メモ用紙とペンを用意しておきましょう。
3 環境
-1 脱臭:
すばやく流すと臭いは残らないそうですが、念のため消臭スプレーは用意しておきます。
-2 絵画を飾る:
描いた方には失礼かもしれませんが、観賞空間として優秀です。
-3 花を生ける:
こころがなごみます。小さな空間も無限の空間に広がります。
-4 時計:
時を忘れてしまう空間ですから、現実にもどるためには必要かもしれません。
-5 カレンダー:
家中探して適当な場所がなく、結局トイレに飾ることになります。月が変わっても前の月のままなことが多いので、ほとんど役に立っていないことがわかります。
4 メンテナンス
-1 消耗品のストック:
トイレットペーパー、ナプキン、洗剤、など 収納スペースが必要です。
-2 掃除用具を納める:
-3 掃除:
あまり狭いと掃除用具が入らず、ほこりだまりになります。
参考文献
*1:小原二郎監修、渡辺秀俊、岩澤昭彦著「インテリアの人間工学」ガイアブックス、2008年、p76*2:鈴木信弘 著「片付けの解剖図鑑」エクスナレッジ、2013年12月、p60