インテリアのプレゼンを実例で学ぶ、施主の「真」の要望を引き出すテクニック

実例で学ぶ、施主の「真」の要望を引き出すプレゼンテーション第一回

リフォームでも新築でも、施主が「住む」ことに対して明確なイメージを持っている場合とそうでない場合があります。
また、その明確なイメージでさえ、施主が「真」に望んでいるスタイルではないことがあります。

施主の心の奥にある、本当の要望をうまく引き出すのがプロフェッショナルの仕事。
そして、プロフェッショナルの仕事を支えるのがプレゼンテーションツールです。

この連載は、建築とインテリアのプロフェッショナル、河村容治氏が1年間に渡って関わったマンションのリフォームプランニングについて、実際に提案に使った図面とパースを見ながら施主の要望をどのように引き出していったかを学ぶ講座です。

今回は、最初の打ち合わせで確認した施主の要望と、初回プランについて解説します。


このマンションリフォームの依頼があったのは2017年4月。
現場調査を行い、同時に施主からの要望も確認した。

現況図面

【現況】
都内築36年のマンション
管理状況:極めて良好
SRC造 11階建 片廊下 型

対象住戸:
最上階 妻側 東・南に開口あり
3LDK 57㎡

設備及び内装が老朽化し、
断熱・防音対策の要望が強いので内装及び設備はすべて解体し、全面リフォームすることに。

アルミサッシュ:
マンション管理組合の許可を得ることができ、枠をそのまま利用して、ペアガラス仕様のものに交換する。

 

 

家族構成:
30代後半独身男性一人
職業:会社員
希望するイメージ:モダン
要望
部屋を細かく分ける必要なし
収納を多く
風呂:大きく
持ち込み家具:PC及びその作業用テーブルのみ、その他は新居に合わせて購入する予定

その後、5月~9月に月1回のペースで、平面図と3Dパースによる計画案をもとに打ち合わせを行った。
(直接面談しての打ち合わせのほか、メールのやり取りで情報交換も行っている。)

施主からは特に締め切りを求められなかった。
リフォームプランとしては時間をかけすぎているように感じられるかもしれないが、施主がまだはっきりしたイメージを持っていないまま、こちらの都合で計画を進めても、最後でどんでん返しが待っているかもしれない。
時間に縛られない案件であったので、実施設計に入るまでは施主が本気になるまで気長に待つことができた。

施主のイメージが「フワッ」とした状態の場合、いろいろなプランを提案して、その反応から施主の「真」の要望を引き出していく。
あまり「ピンとこないな」と思える意見もその場で否定せず、施主からの要望をできるだけ誠実に計画に取り入れ、形にしていくことが重要である。
住宅にルールはない。その「意見」を取り入れたプランの良し悪しを、施主自らが気づくように提案していくことがポイントである。

第一期プランニング:中廊下型のプランの追求

まず現況に近い中廊下式の案で、キッチンの3タイプを中心にバリエーションを追求していった。

初回提案の3つのプラン

初回提案の3つのプラン。
プランの詳細解説は下記目次内の記事を参照のこと。

様々なプランを作り込んでいく中で、廊下を中心にして水廻りと居室とに左右に分けるのに、全体幅5.6mは狭すぎることが施主もわかってきた。

そこで、次のステップでは全く発想を変えて、別のプランを模索することになるが、それは回を追って詳しく説明していく。

プレゼンテーションに使用したソフト:3DマイホームデザイナーPRO
本ソフトは操作が簡単である上、平面完成と同時に質の高いパースも作成できる。
企画や計画の段階で使用すると極めて有効で、施主とコミュニケーションを図るための最適なツールである。

【プラン目次】

●初回提案

第1案:2017年5月29日 中廊下型-1 Ⅱ型キッチン案

第2案:2017年5月29日 中廊下型-2 アイランドキッチン案

第3案:2017年5月29日 中廊下型-3 L型キッチン案

 

 

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