
こんにちは。“わいずはんず”の加藤です。
本題に入る前に、私と「照明」の出会いなどについて、少し書かせてください。
私が、照明に惹かれていったそもそものスタートは、色彩に興味を持ったことでした。『色が人の心に与える心理効果が面白い!』と思ったのです。色について学んでいくうちに、色を綺麗に見るにはそこに当たっている光の影響が大きいと気づき、いつの間にか灯りを追いかけている自分がいました。そして色と光を活かせるインテリアコーディネートのお仕事へつながっていきました。色彩の勉強をしていた頃、照明コンサルントの資格がある事を教えて下さった色彩の先生に感謝しています。 今年の募集は終わってしまいましたが、ご興味のある方は、照明学会のWEBサイトをご覧になっては如何でしょう? ( https://www.ieij.or.jp/educate/kiso.html )
右上の写真は、以前スミノエインテリアプラザで開催されたディスプレイコンテストで賞をいただいた時のものです。今思えばこのプランも照明にこだわってシャンデリアでご提案していました。 「ココを見て!」というところには、やっぱり照明です。
前置きが長くなってしまいましたが、今回は実例を紹介しながら私の照明へのこだわりについてお伝えしたいと思います。
☆対象を綺麗に見せる光(演色性にこだわる)
いきなり「手タレ」の手じゃなくて申し訳ありません(自分で試してみないと気がすまない性格なもので・・・)。同じ条件でランプを変えて自分の手を撮影してみました。同じ手でも右の写真は、血色が悪くて元気がなさそうに見えませんか? 左が演色性の高い(鮮やかに見える)LEDランプ(電球色・Ra90)を使用、右は、一般的なLEDランプ(昼光色)を使用しています。ランプを変えただけで同じ手の見え方がこんなに違ってしまいます。洗面所の鏡で顔を見るとかダイニングテーブルでお料理を美味しそうに見せるなど色を綺麗に見せたいところは、できるだけ演色性の良い光を使いたいものです。
店舗や飾り棚の照明に演色性の良いハロゲンランプ(白熱灯)がよく使われていますが、熱や紫外線で対象物を痛めてしまう心配がありました。その点、LEDは熱や紫外線をほとんど出さず演色性も良くなってきたので、店舗や美術館などでどんどん使われるようになっていますね。 ランプを選ぶ際は、演色性Raの値に気をつけて下さい。 メーカーによっても差がありますのでご注意を。
☆照明の色によるものの見え方の違い(色温度にこだわる)
次に光源の色を変えて色の見え方がどのように変わるかも試してみました。私のお気入りの絵ですが、白熱灯で照らした方が自然で綺麗に見えていると思います。 ブルーなどの寒色系やモダン系のインテリアを綺麗に見せるには、昼白色(または昼光色)が適しています。一方で木目やナュラル系のインテリアを綺麗に見せるには、電球色の光が良いですね。このようにインテリアのイメージによっても光色を意識したいところです。
これまでLEDばかりを絶賛していますが、白熱灯も捨てがたいランプです。
白熱灯は、調光すると色温度が変化しますが、LED器具の調光は、色温度が変わらずそのまま照度だけが下がるものがほとんどです。そこが白熱灯の魅力ですね。
個人的には白熱灯が好きなので、用途によって上手に利用すればよいかなと思っています。
☆ 照明で衣替えはいかが?(省エネにこだわる)
LEDのシーリングで調色できる製品を試してみたくなり、リビングで使用していた白熱灯のシャンデリアをLEDシーリングに入れ替えてみました。
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電球色+昼光色(100%点灯)4700K | 電球色のみ(50%点灯)3000K | 昼光色のみ(50%点灯)6500K |
電球色と昼白色、昼光色では、色の見え方も気分も随分変わります。おまけに白熱灯使用時から電気代が減り、LED照明の省エネ効果を実感しました。エアコンの効きにも影響したと思います。朝起きたらまず全灯でパッチリと目を覚まして、夕方以降は太陽が沈むように電球色で休息モードへ…1台2役の器具はありがたいですね。以前、お客様から「子供の宿題をダイニングで見てあげたいが、お料理を美味しく見せたい。ランプの色をどっちにすれば良いですか?」と聞かれたことがありました。今なら「調色の出来る器具で光色を使い分けて下さい」とご提案できるのに…と思い出します。
我が家では、華やかで雰囲気が良く、思い出のある白熱灯のシャンデリアを捨てきれず、ここ数年は、洋服と同じように照明も夏と冬で衣替えをしていました。シャンデリア球タイプのLED電球も普及して交換も検討しましたが、そろそろ器具の寿命かも?照明器具の見直し時かもしれません。
みなさんのご自宅はいかがでしょう?
(参考:あかりの寿命と交換時期:日本照明器具工業会ホームページ
http://www.jlma.or.jp/akari/anzen/index.html )
このように1台の器具で生活シーンによって調色・調光できるシーリングは、リビングにオススメです。先の商品は、いずれも古いものなので、今ならオススメは、コレ!
シャビーシックなイメージで同シリーズのペンダントやブラケットを合わせることができます。
ダイニングには、シャンデリアタイプ、右のようにセードの取付けも可能です。
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LEDシャンデリア AP42139L(コイズミ照明) | セード(別売) AE42142E(コイズミ照明) |
同シリーズでスライドコンセントに小型のペンダントを2~3灯吊るすのも素敵です。
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LEDペンダント AP40032L(コイズミ照明) | スライドコンセント AE42172E(コイズミ照明) |
さらに、調光・調色タイプのダウンライトをプラスすれば、シアタールームのような用途にも効果的です。好みや世代の違う家族がいても色々なシーンに対応可能ですね。
照明メーカーさんのカタログは、情報の宝庫!
とても良い参考書です。
商品を選ぶ際は、
・光色(電球色・昼白色)
・色温度(K)
・演色性(Ra)
・光束(lm)
・配向性(光の向き、広がり)
・器具サイズ
などをしっかりチェック!
☆モデルルーム実例(デザインにこだわる)
ここからは、昨年お仕事させていただいたモデルハウスをおススメの器具と一緒にご紹介します。
1件目のコンセプトは、「Airy Feeling Modern」光と風を感じるような優しいモダン空間をイメージしてインテリアコーディネートしました。まるで本物のロウソクのようなLEDランプがお気に入りでした。
納期が厳しく在庫のある商品の中からチョイスするのが大変なお仕事でした。
ダイニング上ペンダント(写真中央):Auro/white(DI CLASSE)
LEDキャンドル(左上、左下):ピラーキャンドル(LUMINARA)
和室フロアライト(右上):メテオール フロアライト(KISHIMA)
リビングフロアライト(右下):スタイリッシュ フロアライト(KISHIMA)
もう一軒も同じく戸建のモデルハウスの写真です。
コンセプトは「Attractive Elegant ~Conversation~」
家族の会話が弾むようなファッショナブルな空間をイメージしてインテリアコーディネートしました。
リビング、和室のコーナーには、フロアランプであかりだまりを作っています。
ダイニングの照明が、テーブルの真上に来ていなかったので、スライドコンセントを使ってテーブルのセンターに配置し、テーブル面に光を足したかったので、スポットライトを追加しました。壁に面白い影が映るお気に入りのスタンドをテレビボードの上に置いてみました。電池式のLEDライトもさりげなくいい仕事をしてくれています。
ダイニング上ペンダント(写真右上):Hamlet(DI CLASSE)
スタンド(中央下):グランツ テーブルランプ シルバー(francfranc)
リビングフロアライト(左上):ホワイトリップル フロアライト(ARTWORKS)
また、ぜひご紹介したかったのが、別のモデルハウスでの1枚。コーディネートのお仕事をお手伝いさせていただいた時にインテリアコーディネーターの久保さんが、ワインクレートボックスの中に照明を入れてフロアランプにアレンジされました。リビングダイニングの雰囲気がぐっと良くなってとっても素敵でした。
右の写真は、Y‘s handsの阪口さんのお仕事です。正面の壁にブラケットを配灯する際、壁から配線が取れなかったので配線カバーを上手く利用してデザインとして取り付けた施工例です。アイデアが素晴らしくて勉強になりました。
5月や6月は、色々なメーカーさんの新作展示会が多い季節なのでワクワクします!
次回は、そんなお話もさせていただきたいと思っています。