物件の特徴を活かしたホームステージングが早期契約のカギ:株式会社ホームステージングサービス

物件の特徴を活かしたホームステージングが早期契約のカギ:株式会社ホームステージングサービス
株式会社ステージングサービス 小寺 秀樹 氏

株式会社ステージングサービス
小寺 秀樹 氏

株式会社ホームステージングサービス(大阪府茨木市)を運営する小寺さんは、インテリア専門商社、家具メーカー勤務を経て、ホームステージングを提供する会社を起業しました。独立のきっかけからホームステージング業務の実際などについて、お話を伺いました。

 

 

 

― 小寺さんの経歴を簡単に教えてください。

小寺:商社時代、家具メーカー時代を通して、モデルハウス、モデルルームのインテリアのお手伝いをしてきました。新築や分譲住宅のモデルの場合は、家具やファブリックなどのインテリア用品を一式お買い上げいただくのですが、安いものでも数十万円はかかります。
そんな中、仲介の不動産業者さんから「十万円ぐらいでモデルルーム用のインテリアを揃えられないか?」とお問い合わせいただくことが時々ありました。
さすがに十万円では、ソファとあとちょっとぐらいしか揃えられませんが、仲介業者さんにとっては、物件が売れるまでの間だけ必要なものなので、そんなに高額な費用はかけられません。予算さえ合えば需要はあるのに、なんとかならないのかな、と海外の事例などを調べていて見つけたのが、アメリカのホームステージングというサービスでした。

― インターネットなどで調べられたんですね。

小寺:はい、これこそ自分が探していたものだ、と思いまして、勤めていた家具メーカーを退職して、本場アメリカのホームステージングの実際を視察してきました。その中で、不動産流通の知識も必須であると考えて、帰国後、不動産会社でインターンとして働かせてもらって、不動産営業マンの一週間、みたいな考え方を身に付けた後、ステージングサービスを起業しました。

― 安定した家具メーカーのサラリーマンから、まったく未知数のサービスでの起業へと小寺さんを突き動かしたのは、どんな思いだったのでしょうか。

小寺:私はこれまでの仕事を通じて、日本のインテリアはもっともっとよくすることができる、と感じています。そして、それにはインテリアコーディネーターの活躍が鍵だと思っていますが、コーディネートフィーをいただけるような仕事は多くありません。ホームステージングにはインテリアコーディネーターが活躍できる可能性があると感じました。アメリカでも、多くのインテリアコーディネーター(アメリカではインテリアデコレーターと呼ばれています)がホームステージングの仕事に携わっています。日本でも市場のニーズがあること、インテリアコーディネーターのスキルが活かせること、インテリアの魅力を住み手に伝えていけること。これらを確信したので、ホームステージング専門の会社をスタートさせました。

ステージングサービス事例01

― ホームステージングというサービスがインテリアコーディネーターの仕事になるし、ホームステージングされた家を見た住み手が「インテリアコーディネーターに頼むとこんなステキな部屋になるんだな」と知ってもらえる機会にもなるということですね。
さて、そんな熱い思いを持って起業されたわけですが、ステージングの依頼はすぐに入ってきたのでしょうか。

小寺:自分の住んでいるマンションのオーナーさんから不動産会社を紹介してもらったり、と足元から営業活動を開始しましたがしばらくは苦戦しました。でも、試行錯誤を繰り返して「これだ!」という内容のDMができて、それが功を奏して受注がどんどん入ってくるようになりました。

ー 手がけているホームステージング案件について教えてください。

ステージングサービス事例02

小寺:一番多いのは中古物件の買取再販会社からの依頼ですが、おかげさまで定期的にご発注をいただいております。

ー 小寺さんならではのホームステージングというのはありますでしょうか。

小寺:不動産会社でインターンシップをしていた時の経験を活かしたステージングが当社のアドバンテージだと思います。中古物件は、「眺望がよい」とか「天井が高い」とかそれぞれに特色があります。それを活かした内覧をして、そういう要望のあるお客様をそこに連れてきてつなげることが不動産会社の営業マンの腕の見せどころなんです。私が手がけるホームステージングは、物件の特色をより際立つようにすることを心がけています。眺望の良さを見せたいなら、ベランダにテーブルやチェアを設えて、そこから眺める暮らしを想像してもらえるようにします。天井の高さをアピールしたいなら、わざと低めのソファなどを配置して、天井がより高く感じられるようなステージングをします。そうした仕掛けを不動産会社さんに伝えることで、『この会社は中古物件のことをよくわかっているな』と感じてもらえて、それがリピートオーダーにつながっています。

賃貸のホームステージングの事例:自転車を持ち込めるようにと広い玄関を作ったが気づいてもらえない、というオーナーの声に応えて、自転車好きの人がグッとくるホームステージングを施した。

賃貸のホームステージングの事例:自転車を持ち込めるようにと広い玄関を作ったが気づいてもらえない、というオーナーの声に応えて、自転車好きの人がグッとくるホームステージングを施した。

同じ賃貸のステージング事例:天井に下地を入れてしっかりとしたフックを取りつけたのに気付いてもらえない、というオーナーの声に応えて、ハンモックを吊るすことでフックの活用提案になるステージングを施した。

同じ賃貸のステージング事例:天井に下地を入れてしっかりとしたフックを取りつけたのに気付いてもらえない、というオーナーの声に応えて、ハンモックを吊るすことでフックの活用提案になるステージングを施した。

ー これまでで特に印象深いホームステージングだった案件はありますか?

小寺:ある一戸建ての居住中の物件をステージングして、すぐに買い手が決まったものがありました。事情があって引っ越さねばならなかったわけですが、スピーディーに買い手が見つかってホッとした、という奥様の表情が印象に残っています。買取再販物件の場合は、私たちは売り手の顔も買い手の顔も見ることがありません。なので、エンドユーザー様の喜ぶ顔を直接見ることができると、『ああ、いい仕事ができたな』と思えるんですね。

ー 小寺さんにとってホームステージャーに必須の能力はどんなものだとお考えですか?

小寺:「妄想力」ですね。ステージングを依頼された物件を見に行く際に、私は周辺の状況や駐車場、駐輪場の様子、居住されている家族の傾向などをよく観察します。それらを元に、『この物件はこんな家族構成の人がこんな暮らしをしたいと考えている人にアピールしたいな』というようなことを「妄想」してステージングを考えるようにしています。物件に対して暮らしぶりをどれだけ深く「妄想」できるかどうか。そんな能力がホームステージャーには必要だと思います。

ー 本日はありがとうございました。

 

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