工事いらずのリフォーム建具「ふすまリフォームドア」 ~ヒット商品の舞台裏~

ふすまリフォームドア~ヒット商品の舞台裏~

「リーズナブルな価格なのにデザイン性の高いドアにリフォームできます」
「古くさかった和室を低コストで今風にかえることができました」

喜びの声とともに、賃貸住宅の家主や管理会社からリピート注文が次々に舞い込む。

それが、賃貸住宅リフォームの世界でいま注目の商品「ふすまリフォームドア」「押入リフォームクローゼット」だ。
和室や押し入れのフスマを建具工事無しで洋風ドアや折れ戸にリフォームできるアイデア商品。
開発・販売しているのは、フスマと建具の製造・施工を本業としている谷元フスマ工飾株式会社(大阪府八尾市)である。

本業の競合商品と言えないこともないこの製品が、なぜ谷元フスマ工飾から誕生したのか。

開発の舞台裏を谷元 亨社長に伺った。

■時代を読んで、先手を打つ、はずだったが

谷元フスマ工飾は、昭和21年に表具店として創業した。新築住宅のフスマを製造・販売・施工する会社である。
昭和58年、フスマの需要は十分にあったが、先代社長が将来を見越して洋室ドアの取り扱いも開始。
フスマと洋室建具の両方を扱う製造・施工店となった。

【谷元フスマ工飾、自社工場の様子】

【谷元フスマ工飾、自社工場の様子】

先代の予見通り、新築建具の需要はフスマから洋室ドアに移ったが、先見の明が奏功して同社の業績に影響はなかった。

時は移って平成22年。新築住宅の棟数は先細りが見えており、谷元フスマ工飾も時代への対応を迫られていた。

リフォーム市場に向けて、手を打っておきたい。しかし、新築需要は好調で、手のかかることはやりにくい』

三代目社長となった谷元 亨氏が、まずは自分だけでやれることで、と着手したのがネット通販だった。
しかし、このネット通販サイトは惨敗に終わることになる。

■現場の声から生まれたアイデア商品

谷元社長がネットで販売しようとしたのは『おしゃれなフスマ』。
DIYで部屋を模様替えする消費者をターゲットに、リフォーム市場への足がかりにしようと考えたわけだが、
『ネットショップを開けば、お客さんが見に来るだろう』
というぐらいの認識で、積極的な集客をしなかったこともあり、閲覧数はほぼゼロ。

「そもそも、おしゃれなフスマを買おう、という人がネットにはいなかった」

と谷元社長は回想する。

そんな時、賃貸住宅の大家から、こんな声を耳にした。

『二間続きの和室を洋室にリフォームしたいけれど、費用はかけられない

和室二間という間取りは、今の時代には人気がない。
洋室にすれば入居率が上がるが、古い物件にあまりお金はかけたくない。

谷元社長はひらめいた。

『うちは、フスマとドア両方の知識がある。うちだからこそできることがある!』

【同社が取り扱っているフスマと洋室ドア】

【同社が取り扱っているフスマと洋室ドア】

フスマを取り払い、その既存の枠を活かしたまま洋風ドアに取り替えられる商品、
「ふすまリフォームドア」が誕生した。

■ターゲットを絞り、時代のニーズを捉える

「ふすまリフォームドア」の誕生とともに、ネットショップの名称を
「和室リフォーム本舗」に改称し、和室リフォームにターゲットを絞った。

【和室リフォーム本舗のトップページ】

【和室リフォーム本舗のトップページ】

和室、リフォーム、フスマ、ドア、クローゼット。
ネットショップの名前も取り扱う製品の名前も、ストレートでわかりやすい。

これが功を奏して、キーワード検索で見つけて、購入するユーザーが増えていった。

ネットショップということで、個人での購入を予想していたが、蓋を開けてみれば
大家、不動産管理会社、リフォーム会社など法人需要が6割
業務ユーザーはリピート購入するため、売り上げは右肩上がり。
7年目にして初年度の30倍以上に成長している。

■施工店でもある経験が製品の強みに

「ふすまリフォームドア」の強みは、コスト削減効果と同社のサポート力にある。

フスマをはめていた建具をそのまま利用するため、リフォーム工事が不要になる。
これにより、通常20~30万円はかかる洋風ドアリフォームが、10万円以下で行える。

また、「ふすまリフォームドア」はすべての商品がフルオーダーである。
購入者の建具にぴったりとフィットさせるため、詳細な採寸を基に一つずつ製造する。

Webページには採寸に関する詳細な解説があるが、電話やFAX、メールなど顧客に合わせたサポートをするなど個別対応にも
力を入れている。施工店でもある同社の強みを活かし、現場に詳しい社員が応対する。

【Webページではサイズの測り方をわかりやすく解説している。】

【Webページではサイズの測り方をわかりやすく解説している。】

「フスマのサイズは地域や建物で微妙な差異がある。お客様の住居にぴったりのサイズで製造するために、採寸についてはきめ細かくお手伝いしている。」

と谷元社長は話す。
現場に同行するような気持ちで対応していることが、「ふすまリフォームドア」のほかにはないアドバンテージだ。

■確信をもって5年間の赤字を乗り越えた

今でこそ、谷元フスマ工業の一つの事業部門に成長した「和室リフォーム本舗」と「ふすまリフォームドア」だが、開店から5年間は赤字だったという。
オーダーメイド製品という性格上、受注完了までのユーザーフォローがキモとなるため、売り上げ増加に先駆けてスタッフを増やしていったからだ。

「フスマの需要が減っていくこと、新築住宅の施工も頭打ちになるだろうことは間違いない。我々が蓄積してきたノウハウを活かせる次の市場はリフォーム分野である、という確信を持って、社長直轄事業として続けてきた。」

谷元社長が粘り強く育て上げた「ふすまリフォームドア」は、ネット通販はもとより流通ルートやホームセンターへの供給など、販路が広がり、リフォーム分野への進出を果たした。

【法人顧客から届いたビフォーアフターの事例写真】

【法人顧客から届いたビフォーアフターの事例写真】

不動産管理会社やリフォーム工務店など、リピートオーダーをいただく法人顧客向けの専用サイトも準備中だ。

谷元社長に、次の一手について聞いた。

「電話サポートでお客様とやりとりする中で、和室リフォームに関する様々なヒントをいただいている。作りたい新製品のアイデアもたくさんある。我々の強みを活かした和室リフォーム製品を、どんどん送り出していきたい。」

三代目社長にも「先見の明」はしっかりと受け継がれているようだ。

谷元フスマ工飾のホームページ
https://t-f-kosyoku.com/

ページ上部へ戻る