庭の魅力を照明で引き出す! 内と外を繋ぐ庭の光の作り方 ~インテリアの仕事に役立つ照明ノウハウ~

大光電機インテリア照明ノウハウ第10回

こんにちは!大光電機 TACT住宅チーム「吹抜けキャンディーズ」の古川です。
私たち吹抜けキャンディーズが12回にわたって、照明を検討する上で「こんな時はどうするの?」と悩んでしまう疑問点についてアドバイスをさせていただいています。

さて、今回の質問は室内を飛び出し、屋外についてです。
「リビングから望めるお庭があるので、カッコよくライトアップしたい」

ということで、樹木を照らすスパイクのスポットライトを何台か入れて、下からのライトアップ!
してはみたものの・・・

室内が窓に映り込んで外の風景が見えない
あれ?室内の風景がガラスに映りこんで何だか全然良くわからない。
こんなことありませんか?

今回は、我らが住宅デザイン部のメンバーで「庭のライティング」を得意とする「庭の樹太郎」こと花井にバトンタッチし、DAIKO流 庭の光の作り方をお伝えしたいと思います。

【大光電機 花井架津彦氏】

【大光電機 花井架津彦氏】

初めまして。花井です。
美しい庭の夜景を室内から眺める。そんな少し贅沢な住まいの明かりを実現するには
庭のライトアップだけでなく室内も含めた、総合的な視点での照明計画が必要です。
住まいの「内」と「外」をつなぐ『庭屋一如』のライティングで付加価値の高い住空間を実現しましょう。

1. 【外】庭の光の考え方 光を落として、庭の地明かりを確保

1 上から下に光を落とし、「樹木」「地面」「壁面」の3カ所を照らす。

庭をしっかり明るくする場合には、「地あかり」を確保する事。
地面から上に照射するスパイク式のスポットライトは、「地面」を照射できず、光が上空へ逃げてしまうので「地明かり」を確保できません。

上から下に光を落とし、「樹木」「地面」「壁面」の3カ所を照らす

建物側からスポットライトで光を落として
「樹木」「地面」「壁面」を広範囲に照射すると効果的です。【光を上から下に照射】

 

■光を上から下に照射

「地面」と「壁面」が光をしっかりと受け止め
「地面」と「壁面」が光をしっかりと受け止め、明るく優しい夜景をつくりだす。

■光を下から上に照射(アッパーライト)

光を下から上に照射
「地面」が暗く、光が上空へ逃げていくため、室内から見て暗い印象となる。

2 ユニバーサルダウンライトで「地あかり」 広角スポットで「樹木」「壁面」を広範囲に照射

外壁にスポットライトが設置できないとき、軒下用のユニバーサルダウンライトとスパイク式の広角スポットの組合せで庭をライトアップします。
ユニバーサルダウンライトを軒の先に設置し、庭の「地明かり」を確保。
広角のスパイク式のスポットライトで、余分な影を出さずに柔らかく「樹木」「壁面」をライトアップします。

ユニバーサルダウンライトで「地あかり」広角スポットで「樹木」「壁面」を広範囲に照射ユニバーサルダウンライトとスパイク式の広角スポットの組合せ

■広角(60°)配光

広範囲に庭を照射し、壁面に柔らかく光が届き明るさ感を確保しやすい
広範囲に庭を照射し、壁面に柔らかく光が届き明るさ感を確保しやすい。

■狭角(9°)配光

樹木を部分的にしか照射できず、明るさ感が出にくい
樹木を部分的にしか照射できず、明るさ感が出にくい。
樹木の影も強く出るため、美しくない。

2. 【内】室内の光の考え方

1 美しい庭の夜景は室内の明るさと映り込みをコントロール

室内からライトアップされた庭を眺めるには、「内」と「外」の光量のバランスを「庭の光=室内の光」または「庭の光>室内の光」となるよう計画しましょう。
室内に光量が多く庭の光量が少ないと、透明ガラスは鏡へと変化し映り込みが発生します。

「庭の光>室内の光」
「庭の光>室内の光」

室内と屋外の明るさのバランスが適切に調整され、映り込みにも配慮した「庭屋一如」の
空間。

「室内の光>庭の光」
「室内の光>庭の光」

室内が明るく、庭の光が弱いため庭がほとんど見えない状態。ガラスに映りこんだ照明器具や室内空間が、庭の夜景を阻害する。

2 ガラス面への映り込みのルールを理解しよう

庭の夜景を楽しむ上で問題になりがちなのが、室内を照らしている光がガラス面に映り込むことです。
特に、壁や天井などを広範囲に照らす間接照明は要注意。
ガラス面への映り込みのルールをしっかりと理解して
”意外な場所に光が出現してしまった“ということのないように計画的にライティングしましょう。

■ガラス面に向かって垂直方向の壁面に光がある場合、屋外に向かって連続するように映りこむ。ガラス面に向かって垂直方向の壁面に光がある場合、屋外に向かって連続するように映りこむ

■天井面に光がある場合には、ガラス上部に光の映り込みが発生する。天井面に光がある場合には、ガラス上部に光の映り込みが発生する

■ガラス面に平行する奥の壁面に光がある場合、ガラス全体に映り込みが発生する。ガラス面に平行する奥の壁面に光がある場合、ガラス全体に映り込みが発生する

3 ウインドートリートメントとダウンライトで映り込みをコントロール

■ロールスクリーンで天井の映り込みをカットする。

ロールスクリーンで天井の映り込みをカットする
天井までのハイサッシの場合、天井面の器具や光の映り込みが顕著に現れる。
必要に応じてロールスクリーンを下ろし、ガラス面上部の映り込みを遮断する

■グレアレスダウンライトで、光の映り込みを最小限にする。

グレアレスダウンライトで、光の映り込みを最小限にする
器具の反射板が鏡面のグレアレスダウンライトは器具本体の映り込みを最小限に抑え、
集光した光が空間の映り込みを軽減する。
「庭屋一如」に最適なダウンライト。

「庭屋一如」に最適なダウンライト

いかがでしたでしょうか?

リビングや玄関に面したお庭も、きちんと照明計画することで室内と視覚的につながり、奥行きと広がりを与えることができます。

是非『庭屋一如』のライティングを実現してください。

※『庭屋一如』とは… 庭と建物一つのものの如し、という庭園と建物の調和を表す言葉。

次回は「ホテルライクな空間にしたい時の照明の考え方」について解説致します。
お楽しみに~!

第1回:「LDKに最適な明るさとは?」
第2回:「ダイニングキッチンでの照明計画のポイントとは?」
第3回:「くつろぎのリビングを作るには?」
第4回:「吹抜けのあるLDKを照明計画するときのポイントは?」
第5回:「吹抜けのあるLDK~傾斜天井の考え方とは?」
第6回:「玄関をステキに見せるアイデア」
第7回:「癒しの寝室をつくるには?!」
第8回:「階段の照明計画のポイントとは?」
第9回:「洗面室とトイレに適した照明計画とは?」
第10回:「庭の魅力を照明で引き出す! 内と外を繋ぐ庭の光の作り方」(このページです)

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