インテリアの仕事に役立つ照明ノウハウ~「吹抜けのあるLDKを照明計画するときのポイントは?」~

吹抜けのあるLDKを照明計画するときのポイントは?その1

こんにちは!大光電機 TACT住宅チーム「吹抜けキャンディーズ」の古川です。私たち吹抜けキャンディーズが12回にわたって、照明を検討する上で「こんな時はどうするの?」と悩んでしまう疑問点についてアドバイスをいたします。

さて、今回の質問は我々吹抜けキャンディーズの得意分野である

「吹抜けのあるLDK、どうやって照明計画を考えたらいい!?」

です。

吹抜け空間になると、照明計画は一気に難易度が上がりますよね。明るさが心配だからと、照明器具だらけの空間になってしまっていませんか?
私たちの元にも、日々 皆様から吹抜けの照明計画に関してのご相談頂くことが本当に多いです。

1.光の特性について

吹抜け空間の照明を考える前に、まず、光の特性について。
実は、全ての光はこのような性質があるんです。

★明るさは「距離の二乗に反比例」する

光源からの距離が遠ざかるほど、その光源が照らす面積が大きくなるため、同じ面積あたりの明るさは低下します。

つまり、2層吹抜けの空間で、天井高が2倍になったとき、必要な照明器具は2倍でなく4倍になるということなんです。

たとえば、8畳の空間で100W相当のダウンライトが4台入った、CH2400の空間。
この空間の明るさと同じ明るさをCH=5000で再現しようとすると、理論上は16台のダウンライトが必要、ということになってしまいます。

明るさは距離の二乗に反比例する

実際は、壁からの反射の影響を考慮して、7割程度まで数を減らしてもこの明るさを取ることができますが、それでも12台、ちょっと台数が多すぎますよね。通常の天高で使っているような広角の器具を使っていつもと同じような感覚で配灯しようとすると、吹抜け空間ではどうしても器具が増えてしまいます。

 

2.「地明かり」と「明るさ感」を組み合わせて配灯する!

空間の容積や壁面積が大きい吹抜け空間では、空間全体を一灯だけで照らすことは困難です。
吹抜け空間では、いつもと考え方を変えた生活に必要な作業照度である「地明かり」を目的とした器具心理的な快適さを得るために必要な「明るさ感」を目的とした器具それぞれの役割を明確にしながら計画するのがポイントです!

スポットライトのみとペンダントライトのみ

スポットライトの場合、地明かりは取れますが、空間上部が暗くなってしまいます。ペンダントの場合、空間全体の明るさ感は取れますが、どうしても地明かりが不足してしまいます。

ペンダント+スポットライト

 

ペンダントで空間の明るさ感を確保し、スポットライトで地明かりをしっかり確保。明るさ感と地明かりをしっかり確保することで吹抜けの照明計画は完成します。

 

他にも、地明かり(ダウンライト)+明るさ感(ブラケット)や地明かり(スポットライト)+明るさ感(コーブ照明)など、組合せ方は多様です。吹抜け空間に2種類以上の器具が存在すると雑多な印象に見えやすいので、器具の種類をなるべく増やさないように整理をしていきましょう。

 

ペンダント・スポットライト・コーブ照明

3.地明かりと明るさ感を揃える

LDKの連続空間では、同じ広さの空間が連続し、天井高が一定の間取りは照明器具の配置や種類を揃えることで、明るさや空間の見え方を統一できます。
しかし、吹抜け空間は1層空間と天井高が異なるため、照明器具の配置や種類を揃えただけでは明るさが足りません。
ポイントは、吹抜け空間と1層空間で「地明かり」・「明るさ感」を揃える ことです。

CASE1. 同じ100W相当のダウンライト(拡散光タイプ)で灯数や配置を揃えた場合

地あかりが揃わない

△吹抜けリビングの地明かりが足りない状況に。

△吹抜けリビングの地明かりが足りない…

 

CASE2. 吹抜け空間を高天井用100W相当ダウンライト(集光タイプ)に変えた場合

吹抜け空間を高天井用100W相当ダウンライト(集光タイプ)に変えた場合

△地明かりは揃ったが吹抜けの明るさ感が不安

△地明かりは揃ったが吹抜けの明るさ感が不安

 

CASE3. 吹抜け空間と1層空間の「地明かり」と「明るさ感」が揃っている

高天井用ダウンライト(集光タイプ)では不足する吹抜け空間の明るさ感を補うため、上面配光のブラケットを追加。

◎高天井用ダウンライトとブラケットの組合せで連続した吹抜け空間

◎高天井用ダウンライトとブラケットの組合せで連続した吹抜け空間と1層空間の「地明かり」と「明るさ感」を均等にします。

◎高天井用ダウンライトとブラケットの組合せで連続した吹抜け空間と1層空間の「地明かり」と「明るさ感」を均等にします。

4.シーリングファンとダウンライトの位置関係に注意!

吹抜け空間でシーリングファンを設置する場合、照明器具の置き場所に注意が必要です。照明によって発生するファンの影が視界に入ると、ファンの回転による影のチラツキが不快感をもたらします。

シーリングファンのちらつき

ファンとダウンライトの取付け基準

取付高が5000mm以上となる吹抜け空間では、ファンの羽根の端からダウンライトまでの距離を、天井から羽根までの距離と同等以上離すことで、視界に影が発生することを防ぎ不快なチラツキの発生を軽減します。

ファンとダウンライトの取付け基準

ポイントを押さえればファンと照明器具は共存できる!

ファンと影のチラツキを抑えるコツは、
●ファンと照明器具を可能な限り離す。
●ファンに直接光をかけない。
●床面や作業面にちらつきを出さない。

以上のポイントを押さえれば、吹抜け空間の中でファンと照明器具が共存する快適な住環境が実現できます。

【影やチラツキが発生しづらいファンとダウンライトの関係】

影やチラツキが発生しづらいファンとダウンライトの関係

ファンを壁際に寄せて設置すれば、ファンの影と照明器具の光の干渉を防ぎ、ライティングをより自由に計画しやすくなります。

ファンを壁際に寄せて設置

但し、ファンを壁際に寄せる場合、自らが起こした空気の対流によりファンが揺れる場合があるので、壁から羽根までの距離を500mm以上離してください。

壁から羽根までの距離を500mm以上離してください。

ダウンライトを壁に寄せた場合の天井面の暗さが気になる場合、こんなファンもあります!

ふわっとファン

ファン自体に80W相当のアッパー照明が内蔵された、画期的なファンです。天井面に明るさ感をプラスしたい時におススメです。

ふわっとファンの設置例

如何でしたでしょうか?

一見手強い吹抜け空間の照明計画ですが、「地明かり」の光なのか、「明るさ感」を得る光なのか役割を考えながら、台数過多にならないように整理しましょう。

次回は「吹抜けのあるLDK~傾斜天井の考え方とは?」です。
お楽しみに~!

インテリアの仕事に役立つ照明ノウハウ 連載目次
第1回:「LDKに最適な明るさとは?」
第2回:「ダイニングキッチンでの照明計画のポイントとは?」
第3回:「くつろぎのリビングを作るには?」
第4回:「吹抜けのあるLDKを照明計画するときのポイントは?」(このページです)
第5回:「吹抜けのあるLDK~傾斜天井の考え方とは?」(近日公開)

インテリア&建築プレゼンテーションノウハウのすべて

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