建物別インテリアプレゼン資料のポイント「オフィス・医療施設編」:荒井詩万のインテリアプレゼン術【第七回】

旅する会議室3

皆さん、こんにちは!
インテリアコーディネーター荒井詩万です。
荒井詩万のインテリアプレゼン術、今回は「オフィス・医療施設編」です。

■ 住宅以外でも求められているインテリアコーディネーター

私は、主に個人のお客様からの戸建住宅やマンションのインテリアコーディネートのご依頼が多いのですが、最近はオフィスや医療施設のご依頼も増えてきました。
オフィスや医療施設は、それぞれ専門デザイン会社もありますが、なぜインテリアコーディネーターなのか。
お客様にお聞きすると、
「空間のおもしろさ、楽しさ。自由な発想で考えてくれると思ったから」
「まるで住むようにリラックスできる医療空間は、暮らしの専門家であるインテリアコーディネーターの人にお願いするのがいいなと思いまして」
とのこと。そんな風に思ってご依頼いただけるのは、とても嬉しいことです!

住宅と、オフィスや医療施設でプランニングの進め方に違いはあるのか。
私は、基本的には違いはありません。
ヒアリングからコンセプトを考え、それを具体的なコーディネートに落とし込んでいく流れは同じ。
ただ、オフィスや医療施設は消防法なども関わってきますし、何よりたくさんの人が利用するので、住宅よりも動線計画や各エレメントを選ぶ際の確認は必要になります。

■オフィスのインテリアコーディネート

様々な言語が飛び交う活気あふれるオフィス。
今ある打合せスペースを社員のモチベーションが向上する、おしゃれでおもしろい空間にしたいとのこと。
3つの会議スペースのデザインをご依頼いただきました。

●Before

【Before】

【Before】

 

コンセプトは「旅する会議室」。
それはいつか訪れた国の人々が集まる場所。
それは朝・昼・夜をイメージさせる場所。
国籍も年齢も超え、人と人との会話と笑顔が生まれる。オフィスでも自宅でもないリラックス空間に。
「さわやかな朝 ヘルシンキのレストラン」「あたたかな昼 ニューヨークのカフェ」「くつろぎの夜 ロンドンのバー」の3つのイメージでコーディネート提案しました。

【提案パース】

【提案パース】

 

●After
もともとある家具や什器を使用しながら、壁をたちあげ、小物までトータルにコーディネート。

【さわやかな朝 ヘルシンキのレストラン】

【さわやかな朝 ヘルシンキのレストラン】

【あたたかな昼 ニューヨークのカフェ】

【あたたかな昼 ニューヨークのカフェ】

【くつろぎの夜 ロンドンのバー】

【くつろぎの夜 ロンドンのバー】

 

こちらは別件で提案させていただいた某オフィスの打合せスペース。
訪れるお客様とセンシティブなお話をされるので、明るくハッピーな雰囲気にしたいとのこと。
そこで、壁の一部をペイントしまして、小物までトータルでコーディネートさせていただきました。

明るくハッピーな雰囲気のオフィス1

明るくハッピーな雰囲気のオフィス2

■医療施設のインテリアコーディネート

千葉市にあるサービス付高齢者住宅、「サ高住」のインテリアコーディネートです。
いかにも病院というイメージではなく、働く人が楽しい雰囲気に、そして住まう人がほっとできるようにしてほしいというご要望です。
コンセプトは「フォレスト」=森。
スタッフルーム、ご入居様の談話室、地域交流スペースなど施設全体を森からつながるデザインモチーフに。
また女性が多いこともあり、集まる皆さんがリラックスしながら会話の弾むカラフルな空間を提案しました。

・スタッフルーム
先生やスタッフの皆さんは常に生死と向き合うハードなお仕事をしています。
ここは明るくくつろげる雰囲気に。

スタッフルーム
・談話室
ご入居者様が食事やお茶をしたり、お話をするスペース。

談話室

座面は機能性を考慮して撥水加工で汚れにくいものに。背面はあまり汚れる箇所でないというのをスタッフの方にお聞きしたので、森からつなげて一目ぼれしたどんぐりのデザインのファブリックにしました。
機能性だけでなく、色やデザイン性でほっとできるインテリアです。

機能性だけでなく、色やデザイン性でほっとできるインテリア

・地域交流スペース
訪れたご家族や、地域の方がふらりと立ち寄れるオープンなスペース。
カフェのような雰囲気にしよう!ということで、楽しい空間をイメージして提案しました。

カフェのような雰囲気に

車椅子対応トイレも壁紙でひと工夫。

車椅子対応トイレも壁紙でひと工夫

いかがでしょうか?
いずれも使用する皆さんに大変ご好評いただいております。
インテリアコーディネーターが入ることで、いわゆるオフィスや病院の無機質な感じではなく、ワクワクするような空間に。
インテリアコーディネーターの仕事も可能性が広がっていると思います。
次回はいよいよラスト!「情報収集と情報発信」についてお話します。お楽しみに!

 

これまでの連載記事

第一回 フリーランスインテリアコーディネーターのワークフロー
第二回 顧客の本音を引き出すインテリアヒアリングとは?
第三回 ぶれないプランのキモ「コンセプト」とは?
第四回 人気インテリアコーディネーターが伝授!プレゼン資料作成のポイント
第五回 建物別インテリアプレゼン資料のポイント「マンション編」
第六回 建物別インテリアプレゼン資料のポイント「リフォーム編」
第七回 建物別インテリアプレゼン資料のポイント「オフィス・医療施設編」(この記事です。)

 

著者:荒井詩万この記事を書いたのは:荒井詩万氏
CHIC INTERIOR PLANNING 主宰
住宅やマンションのコーディネート・リノベーション、町田ひろ子アカデミー講師・大妻女子短期大学非常勤講師・各セミナー講師、イベント企画展示、空間プロデュース、TV・ラジオ出演、雑誌の企画監修などインテリアに関する様々な仕事をしております。

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