荒井詩万のインテリアプレゼン術:第二回「荒井詩万流ヒアリング術」

荒井詩万のインテリアプレゼン術:第二回「荒井詩万流ヒアリング術」

皆さん、こんにちは!
インテリアコーディネーター荒井詩万です。
「荒井詩万のインテリアプレゼン術」として、フリーランスの私がどう仕事を獲得し、お客様にご満足いただける提案をしているのかについて、様々な切り口でお届けする第2回。
今回は「荒井詩万流ヒアリング術」。
ヒアリングのポイント、クライアントの本音の引き出し方などについてお話させていただきます。

■ はじめに暮らしありき

初回打合せはご自宅に伺うこともあれば、ご指定いただいたカフェなどで打合せをしています。
「はじめまして!」と初対面。お客様も、もちろん私も緊張しています。
いきなり「どんなインテリアがお好きですか?」「どんな色がいいですか?」「ご予算は?」とお聞きしても、なかなかさっとお答えいただくのは難しい。
なので、まずはじめにお客様のライフスタイルを掴むところからスタートしています。

「はじめに暮らしありき」
卒業し、現在講師をしている町田ひろ子アカデミーではじめに教わり、私が一番大切にしていることです。
インテリアのイメージや色などよりも、インテリアコーディネートをする上で最も重要なのは、お客様がその空間でどう過ごしたいのか。どう暮らしたいのか。それを理解することです。
家族構成やお仕事のこと、ご趣味、平日と休日・昼と夜の過ごし方、食事はいつもご家族一緒かどうか。
お手持ちのものでこれは絶対に使いたいものがあるか、モノの所有量がどれくらいか。
さらにそこから、どんなインテリアがいいか、ご予算などの具体的なことへと進んでいきます。

ちなみに打ち合わせの時の私の服装ですが、あまりかちっとした堅苦しい感じにしない方がお客様はお話ししやすいので、ジャケットではなくきれいめなワンピースやブラウスのことが多いです。もちろんTPOによりますが。

■ イメージをビジュアルで確認する

インテリアイメージ、言葉で表現するのはとても難しいですよね。
例えば、「ナチュラルな感じが好き」とお客様がおっしゃっている。でも、お客様と私では微妙にイメージに差があるのです。なので、初回打合せでは、必ずイメージするインテリアの画像やグラビアをご用意いただくようにしています。全てがお好みではなくても、この部分が好きというような画像を3・4点ご用意いただき並べてみると、色・素材・デザインなどに共通点が見えてくるのです。
初回打合せでご用意いただくのはメリットがあります。お客様が事前にどんなインテリアがいいのかご家族でお話をしてくださいますので、お好みが共通なのか、もしくは分かれるのか。それが事前にわかり、打合せでの方向性が進めやすくなります。
また、私の方でもメールのやりとりの段階でだいたいこんな感じがお好みかな?というものがあれば、インスタやピンタレストの画像を何枚か用意しています。

【お客様がご用意された、お好みのインテリアのイメージ写真の一例】

【お客様がご用意された、お好みのインテリアのイメージ写真の一例。お客様からは雑誌の切り抜き、インスタやピンタレストの画像などをご用意いただく。私の事例を気に入って連絡くださる方が多いので、ipadで事例をお見せすることでもインテリアテイストを共有している。】

■ インテリアだけでなく様々な話をする

お客様によっては、どんなインテリアにしたいのか、ぼんやりとしている場合もあります。
「エレガントもいいし、モダンもいい。あっ、でもコロニアルな感じも好き」というように、ご用意いただいたビジュアルが色々なケースもあります(笑)
今はミックスインテリアをお好みの方も多いですよね。
そんな時は、インテリアだけでなく、様々な話をしながらお好みを探っていきます。
まず、お客様の洋服アクセサリー持ち物はさりげなく見ています。凝視せず、あくまでもさりげなく(笑)
だいたいファッションとインテリアのお好みは共通点があるものです。
ハンサムなパンツスタイルの方はクールモダンなイメージ、ふんわりとした女性らしいワンピースの方はフェミニンなイメージなど。
さらに、お好きなホテルやレストラン、好きな洋服のブランド、最近行った旅行先。
よく聴く音楽、読まれている雑誌。習い事、集めているものなど。
そうすることで、お客様ご自身のバックグラウンドが見えてきます。

フィレンツェの5つ星ホテル

【最近行った旅行先の写真などがあれば、それを見せていただくのもよい。※写真は私が旅行で訪れたフィレンツェの5つ星ホテル。写真撮影:荒井詩万(以下、すべて同じ)】

■ キーワードを書き留める

お客様の目を見ながらお話を聞き、さらに全てを箇条書きでメモするのは難しいですよね。
なので、私はノートに「キーワード」になる言葉を書き留めています。
お客様が何度も口にする言葉、気になった言葉。
また、お客様も緊張がほぐれて、ぽろっと口にした言葉。
実はその言葉こそお客様の本音だったりします。提案を考える時の要になることがあるので、それも聞き逃さないようにしています。

【愛用のペン&ノートと、打ち合わせ時のツール類。】

【愛用のペン&ノートと、打ち合わせ時のツール類。ノートやペンはカラフルなものが好き。今愛用しているのは、クリスチャン・ラクロワのノート、北欧旅行で購入したHAYのペン。カラーカードも必須。初回打合せでは採寸もするので、5.5mのメジャー、ライカのレーザ距離計は必須アイテム。】

■ 「聞き上手」になろう!

初回打合せ時間は、だいたい1時間半から2時間くらいが多いです。
その間、お客様がどう過ごしたいか、どう暮らしたいか。
本音を引き出すのには、インテリアだけでなく様々な話をすること。
インテリアコーディネーターは「聞き上手」になることが一番大切です。
そのためには、例えば、お客様がお答えになったホテルやレストラン、洋服のブランドなどを知らないよりも、やはり知っている方がすぐに理解できますし、話も盛り上がります。
インテリアコ―ディネ―タ―は、「聞き上手」になるために、幅広くアンテナを張って国内外の情報収集をしておく必要があります。

【定期的に海外旅行をしています。写真はロンドンのインテリアショップ。】

【定期的に海外旅行をしています。写真はロンドンのインテリアショップ。】

【国内外の著名なホテルに宿泊するようにしています。写真は●●●●】

【国内外の著名なホテルに宿泊するようにしています。写真は ヘイマーケットホテル(ロンドン)】

【アルヴァ・アアルト自邸(フィンランド)】

【アルヴァ・アアルト自邸(フィンランド)】

【話題になっているレストランにも足を運びます。写真は●●●●】

【話題になっているレストランにも足を運びます。フランス料理 CROWN(パレスホテル東京)】

 

いかがでしたでしょうか? ヒアリングはお客様が何を求めていらっしゃるかを、いかに引き出すかが大切です。 次回は第3回「ぶれないプランニングのポイント」についてお話します。お楽しみに!

これまでの連載記事

第一回「フリーランスインテリアコーディネーターのワークフロー」
第二回「荒井詩万流ヒアリング術」(この記事です。)
第三回「ぶれないプランニングのポイント」
第四回「荒井詩万流プレゼン資料作成のポイント」

著者:荒井詩万この記事を書いたのは:荒井詩万氏
CHIC INTERIOR PLANNING 主宰
住宅やマンションのコーディネート・リノベーション、町田ひろ子アカデミー講師・大妻女子短期大学非常勤講師・各セミナー講師、イベント企画展示、空間プロデュース、TV・ラジオ出演、雑誌の企画監修などインテリアに関する様々な仕事をしております。

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