リタイア後の夫婦は、インテリアも「物腰ひくく」でうまくいく

動線とインテリアで片づけに悩まない暮らし第二回

インテリアと動線で片づけに悩まない暮らし【第二回】

ベースプランの図前回は「キッチンから全てを見渡すインテリア編」でした。夫の仕事が忙しく、妻が一人で家事育児を頑張る家族の場合、頑張りすぎて行き詰ってしまうことも珍しくありません。

子供が上手に片づけられる仕組みをづくりをすることで、インテリアを整えて毎日の生活がスムーズになるコツをお伝えしました。

今回は世代を変えて、リタイア後の夫婦の住まい方を考えてみましょう。

長年一緒に暮らしてきた夫婦でも、定年退職という大きな転換期は家の中を見直す絶好の機会です。ちょうどよい距離感で暮らすためのインテリアの工夫について考えてみましょう。

Case.2 シニアのための仲良く暮らせるLDKのインテリア

 Case.2のモデル家族をご紹介します。

夫:元会社員(67歳)
妻:専業主婦(63歳)

退職を機に地元へ戻り、第2の人生を楽しむための住まい。今までは妻が家の家事の一切を仕切り、夫はバリバリと働くというスタイルでした。これからは、それぞれの時間を楽しみつつも、夫婦仲良く暮らせるようにしたいと考えています。

1.低く暮らす

リタイア後の夫婦の暮らし方のポイントシニア世代の家具選びで意識していただきたいポイントは「高さ」です。自分の身長より高い位置に収納スペースがあっても、徐々に使いこなせなくなってきます。

引越しの時にしまったまま二度と開けない収納になってしまったり、踏み台に乗って荷物を下ろそうとしてケガをしてしまったり、思わぬ危険と隣り合わせです。必要なモノは身長より低い位置に収納するようなインテリアにしましょう。

 

低い暮らし方

また、家具のボリュームも2人暮らしに見合ったものに見直しましょう。大きなソファは手放し、一人ずつゆったりと座れる一人掛けソファを2台並べるご提案としました。

2人のスペースがそれぞれ確保でき、リビングが2人にとって心地よいインテリア空間に変わります。

 

2.「ちょい置き」にも定位置を

チョイ置き定位置の間取り図ちょっとメモをするのに必要な文房具や老眼鏡、毎日飲む薬、郵便物…ダイニングテーブルにはいろいろなモノが集まりがちです。テーブルの上に置きっぱなしだとゴチャゴチャしてインテリアが台無し。

でも、収納スペースに戻すのは年を兼ねるごとに億劫に。そんなシニア世代には、「ちょい置き」ができるスペースをあらかじめ決めておくといいですね。

ダイニングテーブルには、引き出し収納がついているタイプはいかがでしょう。引き出しごとに「夫用」「妻用」と分けて、各々が管理できるようにすると、モノが増えて見直しが必要な時にスムーズです。ダイニングテーブル回り

ソファーの横にも、新聞やリモコンなどをちょい置きできる収納を備えたカフェテーブルがあると便利です。

ソファ回り

「ちょい置き」は、あくまでも「ちょい置き」です。「ちょい置き」スペースが溢れかえらないようにするには、スペースをリセットするためのルールを決めておきましょう。

「寝る前にはちょい置きしたものを戻す」「出かける前にリセットする」「週に1回何曜日と決めて置いているモノを見直す」自分たちにとって無理のないルールにすることで、習慣として定着しやすくなります。

3.仲良く暮らせる距離感

夫婦それぞれの専用コーナー間取り図現役時代と比べて、夫の家の滞在時間がぐっと長くなるので、各々のスペースの距離感はとても大切です。

今までのように、LDK全てが妻の管理となってしまうと、夫の居心地が悪くなりがち。とはいえ、夫が自由気ままに過ごして、片付けは今までのように妻がする、というのも妻にストレスが溜まりそうです。夫婦それぞれ自分専用コーナーを持つことで、お互いの過ごし方を尊重できるようなインテリアを考えました。妻の書斎コーナー

妻の書斎コーナーは、キッチンの横に。今までは、出かけた先でもらったパンフレットや雑誌、郵便物などがついついダイニングテーブルに散らかりがちでした。カウンター横にオープン収納を設けることで、これらをカテゴリー別にさっと分類しておくことができます。

夫の書斎コーナー

夫の書斎コーナーはリビングの一角に設けました。この一角を夫専用の収納スペースとすることで、リビングへのモノの置きっぱなしを防ぎます。

収納スペースも、共有のスペース・夫のスペース・妻のスペースとあらかじめルールを決めておきましょう。「扉の中が荒れていても、共有のスペースに迷惑をかけなければOK」と、片づけのハードルを一つ下げておくことで、ケンカの種を減らすことができます。

いかがでしたか。

シニア世代が片づけしやすい暮らしとインテリアを考える上で、夫婦の距離感はとても大切です。
お互いにとって心地よい距離感を探してくださいね。

動線とインテリアによる片づけに興味を持っていただけた方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。

キッチンから全てを見渡すインテリア

 

wada.sayako【著者紹介】
和田さや子
一級建築士、ライフオーガナイザー。
株式会社ケイ・ジェイ・ワークスにて
住宅の設計に携わるかたわら、ライフオーガナイザーとして片づけ相談セミナーも開催している。
ブログ「子育て世代・共働き夫婦のための片づけに悩まない家づくり」
https://nigiplus.com/blog/

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