増え続ける空き家問題への一つの「解」、シェアキッチン「すたーとあっぷきっちん」の挑戦

すたーとあっぷきっちんイメージ

平成25年の総務省統計調査によると、日本全国の空家数は820万戸。そのうち共同住宅は約半数の446万戸にも上ります。
その一方で毎年30万戸以上の共同住宅が新築されてもいます。
結果、築年の古い物件にはなかなか入居してもらえない、という状況が生まれ、ますます空き家が増えていくことになります。

空き家が増え続けています

空き家、空室は増え続けています.

今後、人口が減少していくことを考えると、これまでのように新築住宅を増やし続けるよりも、今ある空き家を有効活用していくことが重要になってくるのではないでしょうか。
これまでインタビューさせていただいたインテリアコーディネーターの中にも、古民家再生やリフォーム、リノベーションに力を入れていきたいという方がたくさんいらっしゃいました。
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古民家を次世代に残すセミナーを開催した大分インテリアコーディネーター協会
http://success-interior.jp/ico/

中古住宅の再生に意欲を燃やすインテリアコーディネーター大西哉子さん
http://success-interior.jp/onishikanako/
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今回は、あるインテリアのイベントで出会った木村優子さんが行っている、古い共同住宅をシェアキッチンとしてリノベーションしたユニークな活動「すたーとあっぷきっちん」をレポートします。

すたーとあっぷきっちん主宰:木村優子さん

すたーとあっぷきっちん主宰
木村優子さん

木村さんは、もともとはごく普通の会社員として働いていましたが、マッキューン・オルブライト症候群という珍しい持病が悪化して退職を余儀なくされました。病気をきっかけに「人は食べ物でできている」ということに気付き、専門学校で食について学びました。
その後、地元のコワーキングスペースで料理教室などの活動をしていましたが、安心・安全な食べ物を広く販売するためには、保健所の許可を得た調理スペースが必要なことを知ります。

コワーキングスペースでの料理教室の一幕

コワーキングスペースでの料理教室の一幕

同じころに、「マルシェ」と呼ばれるフリーマーケットが地域で人気を集めているものの、そこでお菓子や総菜などを販売するには保健所の認可を受けた調理場所で製造しなければならないため、安心・安全な良いものを作る技術がありながら、販売できないで悔しい思いをしている人たちが多くいることも知りました。

マルシェでは、様々な手作りの品が販売されていますが、食べ物の出品は食品衛生法をクリアしなければなりません。

マルシェでは、様々な手作りの品が販売されていますが、
食べ物の出品は食品衛生法をクリアしなければなりません。

「マルシェ」に出品したい人たちは、主婦や若い世代がほとんどで、自分のお店を持つまでにはいたっていない人たちです。当然、資金もありません。

「食」に関する仕事で、そういった人たちを支援したい。
そう考えた木村さんが選んだのは、「シェアキッチン」というスタイルでした。
保健所の認可を受けた調理スペースを用意して、必要な人たちでシェアする。
自身も若い世代である木村さんらしい発想です。
でも、木村さんとて、多くの資金があるわけではありません。

「このビジネスは、借金してまでやるものではない」

そう考えた木村さんは、改装可能な賃貸物件を可能な限りDIYでリノベーションして保健所の認可を撮れる状態にすることを発案。インターネットで物件を探していたところ、築30年のマンションで改装自由・原状復帰不要という好条件の現物件に出会い、シェアキッチン「すたーとあっぷきっちん」を立ち上げたのです。

すたーとあっぷきっちんに改装前の状態

すたーとあっぷきっちんに改装前の状態。

見つけた物件は当初は和室の1DKでしたが、調理場としての認可が通るようにフローリングに改装します。
この作業はさすがにDIYでは無理なので、業者にお願いしました。

業者に依頼して、畳の部屋をフローリングにリフォーム。

業者に依頼して、畳の部屋をフローリングにリフォーム。

改装後のすたーとあっぷきっちん

改装後のすたーとあっぷきっちん。

主用途はシェアキッチンですが、隠れ家的なカフェとしても使用できるように飲食店の許可も申請し、飲食店許可・菓子製造許可を取得しました。

顧客用の手洗いをフロア内に増設。

顧客用の手洗いをフロア内に増設。

フローリングや水回りなどはプロにお願いしましたが、その他の内装は仲間を集めてDIYで施工しました。

たくさんの仲間が手伝ってくれました。

たくさんの仲間が手伝ってくれました。

ユニットバス内を布で仕切ってオシャレにインテリアコーディネート中。

ユニットバス内を布で仕切って
オシャレにインテリアコーディネート中。

「すたーとあっぷきっちんは、シェアキッチンとしてスタートしましたが、ここを起点として羽ばたいていった人たちが、共感できる人たちとつながっていくことで、社会に貢献できるコミュニティに発展していければうれしいです」

と、木村さんは言います。

「食」を核として、人々が出会い、それぞれのスキルを活かすことで、これまでにはないものを生み出していく。それを、住みやすい街、生きやすい社会を作っていくきっかけにしたい。

木村さんの夢は大きく広がっています。

すたーとあっぷきっちんで作られたお菓子たち

中古マンションを購入して自分たちの住みたいインテリアにリノベーションすることは、一つのスタイルとして確立しています。
木村さんのすたーとあっぷきっちんのように、人やスキルを結び付ける小さなインキュベーション施設は、中古マンション活用のこれからの方向の一つかもしれません。
木村さんはDIYでスタートしましたが、プロのインテリアコーディネーターの手が入ることで、さらに新しい中古マンション活用の世界は広がります。
プロのインテリアデザイナー・インテリアコーディネーターのみなさんの、ユニークな事例をサクセス!インテリアで紹介させていただきます。
こんな事例があるよ、というご連絡をこちらからお寄せください。

シェアキッチン「すたーとあっぷきっちん」の活動はこちらのFacebookページでご覧いただけます。

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