英国流カントリーライフとは?:Kozue Garnerのロンドンインテリア通信【第三回】

英国流カントリーライフ

イギリスと日本では何かと考え方や価値観の違いがあって、びっくりしている私ですが、イギリス人ママ友たちの会話で出てきた「カントリーサイドへの移住希望」でまたびっくりしました。
「絵になるようなかわいい村」は、イギリス人のあこがれのようで、地方に対するイメージが、日本とは全然違うのです。
例えば、イギリスの有名人のライフスタイル。彼らはロンドンに家やフラットを所有しながら、普段は、地方住まいが多いのです。都会の喧騒から離れ、ゆっくりのんびりの生活を好みます。
ただ、こういった「絵になるかわいい村」のエリアは、人気があるだけに不動産価格も決して安くないです。しかも、景観を守る規制が多く、簡単にフラットや新築物件はが建てられません。
イギリスからスタートし、今では世界中に広まったナショナルトラスト運動は、自然や街並み、歴史的建造物などを守り、次世代へと引き継ぐことを主としています。

ナショナルトラストの家

ナショナルトラストの庭
【写真:我が家から車で約15分ほどのところにあるナショナルトラストのお屋敷と庭

この考え、イギリス人はとても強いです。なので、道路や鉄道はもちろんのこと新築物件の建設となると、ほとんどと言っていいほど、反対運動が起こります。
緑、景観を守るため・・・。
かのウィンストン・チャーチル元首相も「目先の利益よりも環境が大切」と、自身の生家をナショナルトラストに寄付されています。
地方だから、空いてる土地はいっぱいだから、という理由で家を簡単に建てられるわけではないのです。
ところで、地方に住むのに仕事はどうなるんだ?という、疑問が出てくるかと思います。 実は、イギリスでは日本と違って転職は日常的ですし、会社もかなりフレキシブルな勤務形態が認められています。ネットが普及していることもあり、夫の場合、過去18年間在宅勤務がメイン。報告、会議などは、ネットですませています。こういったワークスタイルなので、地方に住むのも容易なんです。
ロンドンの不動産価格が異常な値になるにつれ、郊外、地方に移る家族が増えました。もともと田舎暮らしにあこがれていた人が多いイギリス人。特にロンドンの家が購入時より高くなっている人は、家を売り地方に大きな家を購入し引っ越しするパターンは多いです。
在宅勤務などが増えてはいますが、職種によって、ロンドンや都市部から地方に引っ越しが難しい富裕層の場合、車で約1、2時間で通える圏内で別荘を所有している方が多く、週末だけ、ゆっくりのんびり過ごされたりしています。
「自分の好きを大切にする」イギリス人、別荘も小屋のようなものから豪華なものまで、とにかくさまざま。
地方に住んでも、また別荘でも、インテリアに対する熱さは変わりません。
ロンドンと同じレベルのインテリアが見られます。
我が家の子どもたちの学校での学び方も見ても、子どもの時から自分で選ぶ力、そして、リサーチ力が養われているためか、地方に行っても、こだわりの素材を見つけ出してきます。また、クラフトマンシップを愛するイギリス人は、大きなメーカーより、地元の素材、職人、アーティストなどを使うことにこだわる方も多いです。(素材に関しては、場所によっては、景観を守るため、例えば周りの家で使われている地元の石を外装に使うように規制されている場合もあります。)
もちろん、地方にもおしゃれなインテリアショップがあります。 また、必ずあるのは、ギャラリー。 アートが生活の中に必ず入っています。

家にあるギャラリーコーナー
【写真:家にあるギャラリーコーナー】

リビングルームだけではなく、子供部屋、寝室など、どの部屋にも、さりげなく絵画が飾られています。 有名アーティストの作品かどうかなどは関係なく、自分が気に入った絵を飾るのがイギリス流。
旅先で購入した絵なども含め、少しずつアートは増えていき、年月が経つにつれて家はちょっとしたギャラリーに。

ブリストルのギャラリー外観

ブリストルのギャラリーの店内
【写真はブリストルに旅行した時の街のギャラリー】

イギリス人の家は、とても贅沢な空間だと思います。
そして、さらに日本人をびっくりさせることが(まだ!)あります。家を訪問すると、家の中をツアーのように全て見せてくれる方が多いんです。リビングやキッチンはもちろんのこと、寝室も!
家は彼らの誇りなんです。その際、絵の説明がちょっと入ったり、これは、どの職人、お店で買ったとか、インテリアについての情報交換も。
で、今度は、どこを改造、模様替えしたいとかの会話になります。
ロンドンでは、オープンハウスといって、個人宅を一般見学出来るイベントもあります。それだけ、一般的に建築・インテリアへの関心が高いのです。
またイギリス人のガーデン好きは有名な話。 庭を見せるオープンガーデンは、全国各地で開催されています。 普段は見ることができない個人宅。イギリスに来られた際には、こういった機会を利用して家や庭を見てみるのもおもしろいと思います。 イギリスに住んでいるというと、良く聞かれるのは、「食べ物がおいしくないでしょ?」ということ。
食に関して、イギリス人はこだわりが少ないと私も感じていましたが、最近は、安く海外に出られることもあり、食文化も国際色豊かになりました。さまざまな食材、また各国のレストランなども増え、イギリス人の舌もレベルアップしたように思います。

イギリスの料理もおいしくなった

豪華なスイーツ

日本人としてうれしいのは、日本食ブーム! 20年前のイギリスとは、様変わりです。ロンドン市内では、ラーメン屋さんが次々とオープン。

ロンドンのラーメン屋さん

ロンドンで豚骨ラーメン
そして、食に関しても、次世代を考えるイギリス人。持続性、環境を考えます。
ただ、衣食住に関して、意識する人、意識しない人の差は大きいと思います。どのようにして素材、原料が育てられたのか、また、その労働者の賃金はフェアなものか、土に戻ることが出来る素材か、原料が根絶しないか・・・。
学校でも、こういった問題を取り上げ、考えさせ、議論させます。
小さなころから、こういった問題に目を向けさせることは、大事だと思います。
利便性、安さで、簡単に購入していくことによって失うものは、大きいと思います。 目先の利益より、少々不便でも次世代を考え、また、その不便を楽しむイギリス人。奥が深いです。

Kozue GanerKozue Ganer
Misty Interior www.mistyinterior.com
インテリアデザイナー、ソフトファニシング デザイナー。 ロンドンにて、バイヤー、インテリアデザインコンサルタントとして活躍中。

ページ上部へ戻る