【トイレインテリアコーディネート入門】第三回:トイレのカラーコーディネート(トイレのインテリアに関する特殊性を考慮する)

イメージスタイル

トイレをカラーコーディネートするにあたり、まず基本を押さえる必要があると考えます。そこでオーソドックスなカラーコーディネートの手法がトイレでうまく適用できるか、またトイレのインテリアに関する特殊性を考慮するとどのような配慮が必要か検討してみます。

1 トイレのカラーコーディネートの特徴と特殊性

トイレをカラーコーディネートするとき、他の空間と異なる特徴をあげると以下のようになります。

-1 便器が主役:機能が明快です。したがって、あくまで便器が主役です。他の空間と大きく異なる点です。

-2 空間が狭い:これは、短所でもあり長所でもあります。空間が狭いということは、人の目と壁面との距離が近いことになり、壁面の素材の質感が重要となります。また空間の演出効果が他よりもはっきり出ます。

-3 清潔感:清潔に維持するため、イメージだけでなく、素材の選択も重要になります。

-4 インテリアを構成する要素が少ない:便器・洗面器などの設備機器、床・壁・天井・建具で構成されます。床と壁の見切りとして幅木があり、壁と天井の見切りとして廻り縁があります。幅木と廻り縁は、省略される場合があります。壁は必要に応じて、壁の下方に腰がつくられる場合があります。壁は上と下では要求される耐久性が異なります。腰にあたる部分の方が強度や耐水性が求められますから、それに対応する素材を選択します。

トイレを構成するエレメント

トイレを構成するエレメント

 

2 イメージスタイルの選択

イメージスタイル

イメージスタイル

ナチュラルイメージ

ナチュラルイメージ

色彩計画の手掛かりとして、まず「イメージスタイル」(注1)を利用してみます。ここでは9つあるイメージスタイルから一番応用範囲の広い「ナチュラル」を選択することにします。ナチュラルは、木目や生成りなど自然の素材がもつグリーンやブラウンを基調とします。全体としてシンプルで暖かみのあるインテリアにまとまります。
注1 イメージスタイル:「今から学ぶ、インテリア・コーディネイト・トレーニング」第3回~7回参照

3 便器のカラーの選択

ナチュラルに合うカラーとして、陶器標準色の「パステルアイボリー」を選択します。

TOTO 共通カラー

TOTO 共通カラー

 

4 基本色によるカラーコーディネート

ナチュラル基本色の組み合せ1       ナチュラル基本色の組み合せ2

ナチュラル基本色の組み合せ1       ナチュラル基本色の組み合せ2

-1 明度の異なるグリーン(床・壁)を基調に、彩度の低いブラウン(天井)で変化を付け、明るくまとめています。
-2 壁の彩度の低いイエローを基調に、明度・彩度の異なるグリーンを床・天井に配置して変化をつけています。

ナチュラル基本色の組み合せ3     ナチュラル基本色の組み合せ4

ナチュラル基本色の組み合せ3     ナチュラル基本色の組み合せ4

-3 ブラウンをベースにトーン(注2)に変化をつけて暖色のみでまとめています。
-4 グリーンをベースにやや渋めにまとめました。
注2 トーン:明度と彩度の関係

5 壁面の強調

図5-1 壁を強調1

壁を強調1

-1 壁面の強調_基本:色彩に変化をつける方法として、壁に濃い色を持ってきます。

壁を強調2 側面から、および、ドアから便器を見るアングル

壁を強調2 側面から、および、ドアから便器を見るアングル

-2 壁面の強調_応用:4面ある壁のうち、便器の背にある壁1面にのみに濃い色を配置すると、空間に変化が生まれ、奥の壁が引っ込んで見え奥行き感が増します。

6 壁紙の柄の大小

大きい柄と小さい柄

大きい柄と小さい柄

-1 柄大 大きな柄は迫ってくるように見えるため、トイレのような狭い空間ではより狭く感じられ適しません。
-2 柄小 細かい柄は後退して見えるため、トイレのような空間では広く感じられます。

7 壁のストライプの向き

 

水平ストライプと垂直ストライプ

水平ストライプと垂直ストライプ

-1 横縞 水平線が強調され、広く見えます
-2 縦縞 垂直方向が強調され、天井が高く見えます

8 腰

ラインの協調と高い腰の設定

-1:ラインの強調      -2:高い腰の設定

-1 ラインの強調:幅木・腰の見切り・回り縁に濃い色を持ってくるとコーナーが強調され、引き締まったイメージにまとめることができます。
-2 高さの変化:腰の高さを変化させることで、印象が大きく変わります。腰が低いと天井が高く感じられ、腰が高いと天井が低く感じられます。ここでは腰を高く設定し、壁上部と天井を明るい色でまとめ、包まれた雰囲気を演出しています。

9 加重のかけ方

加重のかけ方

-1:上から下に重力      -2:下から上に重く

-1 上から下に:上から下に向かって明度を下げていくと、安定感のある落ち着いた雰囲気にまとまります。
-2 下から上に:下から上に向かって明度を下げて行くと、天井が低く見え、変化にとんだ新鮮な空間を演出できます。

10 素材を楽しむ

トイレのような狭い空間では、空間を構成する素材を間近に見ることになり、色だけでなくテクスチャーの影響力が大きくなります。

タイルを基調としたインテリアと木質素材を基調としたインテリア

タイルを基調としたインテリアと木質素材を基調としたインテリア

-1 タイル:床と腰に同色のモザイクタイルを使い、床と壁の一体感を演出しています。メンテナンスが容易になります。
-2 木質形:天井・腰・床に木質形の素材を使い、親しみやすい空間を演出しています。

 

著者:河村容治

著者:河村容治(かわむらようじ)
東京都市大学 都市生活学部教授
博士(美術)、一級建築士、日本インテリア学会理事 CAD/CGによるインテリアデザイン教育に力を注ぐ。

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