インテリアの仕事に新ジャンル ホームステージングを知っていますか?

ホームステージングジャパンインタビュー

インテリアコーディネーターが力を発揮できる新しい分野「ホームステージング」

ホームステージングという言葉を聞かれたことはありますか?

ホームステージングは1970年代にアメリカで生まれました。
アメリカでは「住宅は住み替えていくもの」という考えのもと、中古住宅の売買が盛んです。
そこで、売却する物件の価値を高めるため、家具やカーテン、小物などでインテリアを設えてより魅力的な住まいを演出するサービスが誕生しました。それがホームステージングです。

ホームステージングは欧米諸国ではすでにポピュラーなサービスで、アメリカでは 売買される住宅の50%以上に導入されています。

アメリカのホームステージング

日本でも、中古住宅の売買は徐々に盛んになってきており、住宅買い取り再販会社を中心にホームステージングの手法が注目され始めています。

今回は、日本におけるホームステージングの草分けである株式会社ホームステージングジャパンの葛貫さんと堤さん(以下、敬称略)に、ホームステージングの現在と未来についてお話を伺いました。

― 御社がホームステージングサービスを日本ではじめられたきっかけは?

葛貫:弊社のCOOである加藤が、自分のマンションを売却しようとした時、査定額が希望と大きくかけ離れていたんです。当時、中古住宅の査定額は物件の立地築年から算出される相場で決まるのが一般的でした。しかし、物件個々の価値が販売価格に反映されるべきと考えた加藤が知り合いに相談したところ、海外にはホームステージングというサービスがあることを知ったのですが、 当時の日本には存在しなかったんです。そこで、自分でインテリア演出に挑戦してみたところ、希望通りの価格で売却することができました。この実体験が弊社創立のきっかけになっています。

【何もない空間をホームステージングしてステキな暮らしをイメージさせる。】

【何もない空間をホームステージングしてステキな暮らしをイメージさせる。】

― ご自身の経験から、日本でもホームステージングの需要はあると確信して創業されたんですね。創業は2013年ということですが、日本におけるホームステージングの市場はどんな状況でしょうか。

葛貫:正確な統計データがあるわけではないのですが、弊社のリサーチではまだ売買物件の10%に満たないと推計しています。アメリカでのホームステージング利用率を考えると、日本でも50%程度までは需要が伸びると考えています。

― 日本では、モデルハウスなどの設えをインテリアコーディネーターが行っています。ホームステージングは、インテリアコーディネートとは違うのでしょうか。

堤:インテリアを設える、という意味では似た点がありますが、ホームステージングで重要なのは物件本来の価値を引き出して、物件にふさわしい価格での売却につなげる、という点です。

中古物件を購入された方に「印象に残った点」をヒアリングしたアンケートから、「広さ」「明るさ」が購入決定要素であることがわかります。
そこで、私たちのホームステージングでは、物件を広く、明るく見せるようにインテリアを設えていきます。私たちは「6秒の演出」と呼んでいますが、部屋に入って最初の6秒で、「広いな」「明るいな」と感じてもらえるようなインテリアを心掛けているんです。

【「広さ」「明るさ」を主眼に置いたインテリアを設えるのがホームステージングのポイント】

【「広さ」「明るさ」を主眼に置いたインテリアを設えるのがホームステージングのポイント】

― 生活のしやすさや家事動線のセオリーとはまた別のノウハウがあるというわけですね。

堤:そうですね。物件の価値を高めるための、「ステキな空間の見せ方」というのがホームステージング独自のノウハウと言えますね。

葛貫:さらにインテリアコーディネートとは別のスキルとして、不動産売買の知識も必要になります。ホームステージングを行う上では、不動産仲介会社とのコミュニケーションが不可欠です。物件のオーナー様、仲介する不動産会社、そして物件を購入されるお客様、三者すべてにとってベストなホームステージングを行うことが大事だからです。

堤:家具の設え、テーブルコーディネート、不動産売買の知識など、様々なノウハウを兼ね備えた人材が、ホームステージャーなんです。

― インテリアコーディネーターの資格を持った人が、さらに独自のノウハウを習得することで、ホームステージャーになれる、というわけですね。そして、ホームステージングの需要はまだまだ増えると。

葛貫:はい。弊社で手がけるホームステージングサービスのニーズも年々増加していて、専門知識を持ったホームステージャー養成が急務になっています。そんな状況から、ホームステージャー養成のためのスクールを立ち上げています。

【ホームステージャー養成スクールの様子】

堤:もともとは社員研修プログラムとしてスタートしたカリキュラムなのですが、ホームステージング需要の急速な高まりから、より広くホームステージャーを育てるべき、ということになって、一般の受講生を募るスクールとして開校しました。

― そのスクールでホームステージャーの資格を取ると、ホームステージングができる、というわけでしょうか。

葛貫:ホームステージングは、売買物件に一時的にインテリアを設えるという性質上、家具やカーテン、食器や雑貨などが必要になりますが、それらを個人で常備するのは現実的ではありません。なので、スクール卒業生の方が個人でホームステージングを始める場合には、弊社が所有している家具やカーテンなどをお貸出しするシステムを用意しています。現在は東京と大阪に拠点があり、首都圏や関西圏でのサポート体制を整えています。今後は主要都市だけではなく、全国のホームステージャーをサポートするシステムを充実させて行きたいと考えています。

― 最後に、ホームステージングジャパンの今後のビジョンについてお聞かせください。

葛貫:日本でのホームステージングサービスは始まったばかりですが、ニーズはどんどん増えています。弊社では、ホームステージングの有用性をより広く知っていただき、全国でホームステージングサービスが利用されることで 、中古物件を売りたい人、買いたい人双方が満足できる中古住宅市場を作っていきたいと考えています。

― 本日はありがとうございました。

株式会社ホームステージングジャパン
https://homestaging.co.jp/

【インタビュアー:西脇 功】

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